2002年5月28日(火)なかの芸能小劇場 『第16回 鬼畜寄席』 出演:魔雲天ムロ / ヘブリスギョン岩月 / チベット太郎 / 殿方充 / 山田広野 /鳥肌大五郎 /米粒写経 「やってらんないんだよ、こんな仕事!」とばかりに早退。 ホントは7月のラ・ママでのチラシをいただく為、 早めに家を出たかっただけ。 チケット購入当日(19日)には見当たらなかったというのに、 思いっきりわかりやすい場所(受付)に置かれていた。 移動した?黒縁チラシにホクホクで渋谷HMVに向かう。 ここに「野音のチラシがあった」との情報を 入手していたからだ。 探した。なかった…。 未練を残しつつ古本フェアを通りすがり、 「つげ義春全集が6000円か…。あ、もう6時」と なかの芸能小劇場へ。6時30分過ぎに着。 すでに整理券が発行されているが、なんだかわからない。 とりあえず二階へ。やっぱりなんだかわからない。 人のフリ見て真似る。 と、「おや?どこかで見たような…?」 エレベーターから前川軍装美術店の店長さんが現われた。 「軍装でもするのか?」と推測しつつ並ぶ。 前の寄席が押している、との事で開場が15分ほど遅れる。 開場。5列目の一番はしっこに座る。 壁にもたれるのが好きな習性。 開演。 <魔雲天ムロ> 乱れた着物に白塗り、寺山修司な風情。墨を口に含む。 ぺ、だらっと吐く。こっちが吐きそうだ。 墨の匂いが届いてくる。コップに入れた墨に指を入れ、 腹に‘へのへのもへじ’を描いて相方に仕上げる。 内容は見事に忘れてしまった。申し訳ない。 <ヘブリスギョン岩月> まずは巻物を取り出し、ツラツラと読む。おもしろい。 「虫を無視する、ナゲットを投げる…」くだらないよ!(笑) その後落語。子供特有の健忘症。安定した芸だと思う。 <チベット太郎> 参った(笑)今回の一番はこの人。 ホモネタを繰り出す、歌が妙にうまい、とは知ってたけど、 間は見ないとわからない。 往年のヒットソングのタイトルと歌詞を換えて歌い、 ころあいを見て「はい」と次に行く。 絶妙。寄る辺ない上司な風貌。 <殿方充> おそろしく不幸な身の上のオバちゃんが ネットアイドルとしてデビュー。 その有り得ない顛末記を、腰を低くし、読み上げる姿の みすぼらしさったらない。また回されるぞ(笑) <山田広野> 活弁士、というのは聞いていた。 こういった芸、問題は映像。 渋谷でビスチェ、網タイツ、 ブーメランショーツを身につけた男共がパトロール。 交番前で(たぶん)。勇気あるなぁ。 しかし美のかけらもないSMというのは大変見苦しい。 や、性的なネタに美なんか期待できないんだけど。 <鳥肌大五郎>(注:強力なネタバレあり!) 「大五郎」だけに、しとしとぴっちゃんな登場。 普通に歩いて出てきたけど、うわ、すんごい格好。 前髪は左に流し(流れ星にあらず)、 後頭部からは四本の触覚が立つ。 (アゲハの?)幼虫を意識したヘアスタイル。 正面から見るとカラスの足の如き毛束三本、直立。 大五郎は子供丈の羽織に白褌、白足袋 左手首には例の金むく時計、 右手首には白い鳥(白鳥ではない)のマスコット(?)を くくりつけている。 高座にて正座、この風景だけでも珍しいというのに、 「今日はね、五人のアホを作ろうと思ってるんです」 と始めた落語、関西のことばを使っていて、 あまりの新鮮さに頭がパーンと割れる。 (ゆえに、記憶力低下。省略多し。 前後関係、言葉もうろん。ご了承下さい) アホ五人の内訳。 一人目。 「ボクな、妹と結婚する」「アホ!できるわけないやろ!」 「なんで?親は夫婦で結婚してるやんか」。 二人目。 「つり竿なんか持って、どないしてん」 「お星様取りたいねん」「アホ!取れるわけないやろ!」 「じゃあどうしたらええの?」「屋根に上るんや」。 (私は「解決してない!」、友人は「ロマンチック」。 そっか、そうだね/笑) 三人目。 は、省略。夏祭りと秋祭りの話。 そして「四人目は私、五人目は、 ここに集まっている皆さんでございます」。 ちなみに「アホ!」と罵るたびに モモを扇子で叩くので一文字に赤く腫れていた。 途中、痛いのか、さり気にさすってて、笑う。 スッと立ちあがって羽織を「ハッ!」と脱いで静止、 「鳥肌万歳」に行くかと思ったら何もせず。再び高座へ。 ‘移動動物園’。 「おばんです!」「アホ!おはようございます、やろ」… 「タイガースの七連勝でこの不景気も」…。 移動動物園で目玉のトラが死亡。 トラの皮を被らせて客を騙す事にする。 日給1万円のバイト。 血でぬるぬるの皮(私の鬼畜脳…。着ぐるみかもしれません)に 脚を通し、腕を通しながら「あ、あ~、ぬくいな」。 練習開始。 「いち(右手)・に(左手)・さん (顔を客に向けポージング。 よく成金な屏風で見る、あんな感じ)、 1・2・3、1・2・3、アン・ドゥ・トロワ」 (トロワ、トラとのシャレだったらどうしよう) 「おー、檻がよく似合うなぁ。 将来はもっと大きな檻に…」さて本番。 練習通り、1・2・3。 「腹減ったなぁ」と口に出し、それを子供に聞かれる。 「今、トラが腹減ったって言ったよ」。 母親は子供をスパーン!と叩き 「アホか、言うわけないやろ!」。 「あー、あぶなかった」と、ここでアナウンス。 「さあ!これからライオンを檻に入れます。 百獣の王ライオンと密林の王者トラのデスマッチ!」 「聞いてないよ、日給一万じゃ割に合わないよ…」 とビクつくトラ、しかし。ライオンが近づき一言。 「俺も一万で雇われてん」。 … 「はい、早朝演説家でございます。 体力がね、低下しております。 体重は、増えております。66kgです」 「創作落語の方もね、やっていきたいと思っております。 こちらにね、月一でエントリーさせていただいております」 「インターネット、の話はすぐに書かれてしまうからやめよう。 …インターネットの掲示板に連日誹謗・中傷が…」 鈴木宗男の業績について語った後、 マントヒヒ・田中真紀子に言及。 「自由連合から立候補いたします」 「片方だけわき毛を剃りました」と、右腕を高く上げ、 「ほら」とばかりに見せつける。つるっつるだ。 「8月15日、突撃演説を予定しております」 舞台から降り、客いじり。 「客いじりもすっかり堂に入っております (板についております、かも)」 「あ~、なんでこんなに終わってるんだろう」。 ウロウロと歩きながら何度もつぶやく。 そして「失敬だな、帰るよっ」。 客席からの拍手を「拍手はいらないよ」と制し、退く。 <米粒写経> えらくテンションが高い。おもしろいんだけど、 技術的な観点で突っ込むのが気になる。 醒めてしまうじゃないか。 (私も含め)素人がお笑いに関してうるさく語る、 いやらしさみたいなものを感じてしまった。 ボケに距離を作っていいの? どうやら終演後に中将が土下座したらしい。 私自身は「珍しいものを見た」というだけで満足してしまい、 出来までは頭が回らないけれど、 舞台上で少々考え込んでたような…? まぁ、そんな時もございましょう。 一人芝居、落語、関西ことば、和服姿など、 ‘見たいもの’が叶えられてヨカッタヨカッタの個人的満足。 野音のチラシと新作ポスター(写真集『廃人玉砕』での ‘ベストジーニスト賞’受賞時の別ショット)を手にし、帰宅。 道すがら、店から流れる音楽に合わせ踊るおっちゃんを目撃。 ‘モデル’じゃないか?といぶかしむ。 終演後にプチ演説をぶつ中将 土下座 撮影:きばち様 more photo?→「続き」へ。 忍者ブログ | [PR]
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