![]() 『反射の集いは氷の9』 9月19日(月・祝)南青山MANDA-LA 昼の部 晴天ナリ。 初めて行く会場に迷わないかと不安になりながらも 日傘差して13時過ぎに無事到着。 チケは先着順だったようで、店前には沢山のお客さん。 限定120名のイベント、いただいた整理番号は107。 良い席は諦める。 ほどなく開場し、カウンターでウーロン茶を注文、 既にテーブル席満席、 スタッフに促されたのはステージ向かって右側アンプ前。 こんな近距離で観るのは初でリラックス出来ないけど、 贅沢言わずに大人しく。 開演予定は14時。ウーロン茶飲みながら、 ご同行いただいたしの!!!!!さんとお話しながら待つ。 目の前のアンプには‘TALBO SOUND'と入っている。 テーブルないから代わりに グラス置かせてもらおうかと思ったけどさすがに遠慮。 …普通置こうとしないか。すみません、無礼者で。 BGMはレストランでかかってそうな当たり障りのない曲。 イベントスタート。 ケイオスユニオンの平野さんが正装(黒のドレス)でご挨拶。 司会役を担うには力量不足と、 早々にヘルプの意味も兼ねてメカノさんを呼ぶ。 「質問すればいいんですね。 詰問すればいいんですねっ?」と楽しそうに言うが、 私は「チッ、そんな事言ったら身構えるじゃないか」と心配に。 登場した平沢さんの表情は…ホラ、やっぱり(※)。 挨拶も「こんばんわ」って、昼の部ですから。 ※DVD収録を意識して、おっかなくしていた模様。 (以下、記憶違いもあるかと思いますが、どうかお許しを) ・『ICE-9』に関した話 (アルバム作成動機) TALBOを作っていた東海楽器は潰れてしまったが、 老朽化により、他社に依頼して新調せざるを得ない。 前作のPHOTONはフェルナンデス社に注文、 しかし今作のICE-9はネットで偶然見つけたもの。 製作は「TALBO SECRET FACTORY」で、 数種・デザインある中、金属のボディである事、 数多く生産していない事、最後の1本という偶然性も鑑みて 「逸脱している」と購入を決めた。 ギター界で逸脱しているTALBOの中でも 一段と逸脱しているその存在感に 「少し興奮しました」。 (ギターにICE-9と名付けた訳) 他のギタリストのように‘俺の伴侶だ’とか‘恋人だ’とか、 擬人化させたい訳ではない。 製品名がないから付けただけ。 (ICE-9とは?) カート・ヴォネガットJr.の『猫のゆりかご』に出て来る、 常温で氷になる物質の名。 地球で人が飲むと凍ってしまう。 海に一滴落ちたら地球の三分の二が凍る。 ・ギターの話 (数ある楽器の中でギターを選んだ理由) 発売当時は不良の代名詞のような存在で、逸脱していた。 それまでは木で出来たウォームな楽器だったが、 ボディが薄くなり、車のように塗装され、 針金が張られて、レバーが付いている。 メカノさん(以下M):それは何歳位で…? 平沢さん(以下H):小学4年生です。 (演奏スタイルを 「ロバート・フリップのカット&ペースト」と自ら公言した件) ギターは構造上、演奏パターンが決まってしまう楽器。 その中で一番自分の感性に合っていたのがR・フリップだった。 彼の奏法を真似る人間は多いが、その誰もが失敗している。 H:コピーではありません。 テクニックはあちら(=R・フリップ)が数段上です。 しかし私はR・フリップの骨子を発見しました。 M:それはどんなものですか? H:教えません(きっぱり)。 他 ・「ギターは熱い、ウォームな演奏を求められますが、 冷たくて何が悪い」 ・「(姿勢として)ステージに立ったなら、 右足を出したら次は左足といった歩行ではなく、 バカ歩きをします」 (わ、モンティ・パイソン!と色めいたが、 メカノさんはスルー…) ・作曲で使うのは「キーボードです」 ・今回のようなギターメインの楽曲制作・演奏は 「二度とやりません。一生の不覚です」 「そろそろここで」と平野さんが ン十年前に平沢さんがプロデュースを担当したという、 Shampooの折茂昌美さんを呼び込む。 手に杖を持ち、全身黒の、 サイバーパンクなイメージの衣装で登場した折茂さんは 髪をワハハ本舗の梅垣さんのように 羽根飾りでボリュームアップ。 横の平沢さんは「すごい、圧迫感が…(笑)」。 誰よりも派手。 ここでやっと和んだか、平沢さんが笑顔で折茂さんに 「お久しぶり!」と軽く手を上げ元気良くご挨拶。 トークのお題は現在のミュージックシーン。 が、誰も口を開けない(笑)。 仕方なくCD屋さんであるメカノさんに振ると、 新譜リストを見ても70年代の再リリースばかりで、 入荷も数枚に留まる有様との事。 平沢さんは「タイの話で申し訳ないんですが」と、 あちらで流行っている‘スティン’の話を披露。 タイはジャンル分けがいい加減で、 洋楽といえばスティングという事になっており、 若者受けする洋楽風の音楽 (シンセのプリセット音をそのまま使用、 乗ってるメロディは民謡)を まとめてスティンと呼んでいるそう。 洋楽=スティングという点が可笑しい。 タイはネタの宝庫、もうちょっと行けそうだったけど、 時間も多いに押していた為、惜しまれながらトーク終了。 30分程、折茂さんの占いタイムを狭み、セッティングを終え、 さあ、ICE-9ライブだ。 set list 1. Nice Nice Very Nice 2.肺いっぱいの金属 3.ユーラシア21℃ 4.廃墟の水溜り 5.カプセルを開けますか? 平沢さんの衣装は黒。 化学繊維っぽい、光沢のあるジャケットに センタープレスのパンツ、ステッチの入った靴と、 毎度の如くに地味ジェントルメン。 ステージにはギター(ICE-9の他にPHOTONも用意。保険?)と エフェクター。 生演奏はギターだけだが、その分弾きっぱなしだ。 1曲目は「Nice Nice Very Nice」。 氷山の崩れる音が入ってて、「氷が溶ける…ICE-9の還元…」 私のロマンチック思考が発動して早くも悶々として来た(笑)。 続く曲にもそれぞれ、勝手にドラマを感じてウットリ。 最後の曲「カプセルを開けますか?」ではピックを縦にして、 弦を押さえてる位置の近くで弾くもんだから、 切れるんじゃないかとドキドキ。 目の前にあるアンプから一番に伝わるのは振動で、 直接聞こえる弦の音の方が大きかった瞬間もあったりして体感。 センターで聞けた人は気持ち良かったろうな~。 や、人によっては神経に障る音かもしれないけど、 すんごい痺れた♪ 空間を支配する音楽、たまりません。 「あ~、もうこのまま死んでしまいたい」位の 気持ち(笑/感動し過ぎ)で階段を昇り、 小さな物販スペースで貧しくて買えなかった『ICE-9』を購入。 ライブだからカッコ良く感じたんじゃないか?と疑いながらも、 改めて聴いたらCDはCDで素敵じゃないの。 封印上等! 凍結させていただきますm(_ _)m PR ![]() ![]() 忍者ブログ | [PR]
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