![]() 『斉藤環meets平沢進 ~ひきこもりmeetsミュージック~』 12月9日(火)新宿ロフトプラスワン 整理番号141 開場前: 人通りの激しい会場前では列を作れない為、 近くの小さな公園でお客を待たせている。 整理番号順に、公園入り口に顔を向けて並んでいる。 その前を通るのは恥ずかしい。 裏から入り込んで待つ。ひとりで来ている人間は少ない。 話し声が耳につく人がいてイライラ、 なんだか情緒不安定。 入場: 中は所狭しとテーブルとパイプ椅子が並べられ、 かなりの詰め込みである。 雰囲気は寄席のような歌声喫茶のような。 マンガの棚があったりする。 見易い場所を選ぶ余裕もなく、 部屋奥のはしっこのテーブルに着き、 存在感を消してぼんやりと開演を待つ。あと一時間か…。 その間、ロフトプラスワンのスタッフから説明を受ける。 ・居酒屋形式で、飲み食いしながら話を聞く ・客の注文が出演者のギャラに繋がる ・トークと質問コーナーの二部構成 斉藤環さんはここで何度もトークイベントを行っており、 今回のゲストである平沢さんに ずっとラブコールを送っていたそうだ。 チケットは即日完売。 ヤフオクでは万単位の値が付いたらしい。 BGMは近年の作品からのものが使われ、 スピーカーのおかげで良い音の「狙撃手」に感動。 まずは斉藤さんが登場し、 スタッフから「斉藤さん知ってる人?」と質問、 2、3人ほどしかおらず、厳しい状況だと仰け反っている。 「平沢さんを紹介する必要はないとは思いますが」と PV「RIDE THE BLUE LIMBO」を流す。 そして平沢さん登場。 黒のスーツに赤系のインナー。 客のいる通路を抜ける為、スタッフが護衛。 (以降は順不同&うろ覚えです。御了承を) ・斉藤さん(以下、斉):平沢さんはひきこもりですか? 平沢さん(以下、平):ひきこもり、気味(ぎみ)です。 ・斉:好きな映画なんかは? 平:『(不思議)惑星キン・ザ・ザ』です。 デザイン全てが好きです。 斉:ロシアのSFですね。あの分銅のような宇宙船。 平:宇宙船なのに(飛ぶ時に)ギコギコと音がする(笑) 斉:『マトリックス』は観ました? 平:観ました、2作目まで。 気になったのはザイオンという場所で、 管理される側の人種が有色である事ですね。 火の周りで踊るシーンが延々と続くのは何か意味があるのかと。 斉:あの未来社会で、ネオとトリニティのベッドシーン、 部屋の奥で暖炉の火が燃え盛ってるんですよ。 お決まりの演出では? (私は「お、人種差別の話?平沢さんたら相変わらず社会派」 とか思ったら、斉藤さんはサラッと流してしまいました。 ‘先住民はいつも被管理者’がお決まりの演出だなんて…) 引きこもり気味だという平沢さんに、 現在の音楽活動や子供の頃の話などを聞く。 ・「今はインディーズだけどぉ」などと、 メジャー契約をステイタスに置いていない。 ・ネットで流出する音源についてうるさいのは 著作権管理会社だけ。 ・MP3配信は、デビュー時から目指していた、 雑多な商品が並ぶ中から、 ベリッと剥がして買っていけるような、 駄菓子屋で売られるような感覚に近い。 しかしCDパッケージへの執着が残っているので まだ浸透していない。 ・小学校4年生頃には兄の影響で音楽を聴いていて、 好みもハッキリしていた。 平:好きなものがハッキリするという事は、 嫌いなものもハッキリするという事で、 音楽の時間がとても苦痛だった。教師が流す音楽はいいけれど、 生徒の好きな音楽を聴かせる授業が始まってしまって。 これは苦痛でした。 斉:「じゃあ明日は平沢くん」という時は? 平:回って来ないようにします。 斉:友達に聴かせた事は? 平:いいえ。誤解されるのが嫌なんですよ。 聴いてた音楽もそうですが、 こういうのを聴いているヒラサワ、 という観点が生まれてしまう。 斉:友達はあまりいなかった? 平:…いなかった訳ではありませんが、 別に(勧めたりしなかった)。 斉:学校ではどんな風だったんですか? 平:とにかく目立ちたくなかった。 ひとりでいるのは楽でした。プライドは 人と違う音楽を聴いているという一点で保たれていました。 ヒラサワの登下校を見た人間はいません。 行きは朝早く出て大きく迂回、 帰りは誰よりも早く学校を出てました。 斉:でも誰か気付きますよね? 平:ええ(笑)「そういえば見ないな」と。 斉:目立ちたくないのに結局(笑)。 イジメなどは? 平:いえ、遭いませんでした。 心理学に関する話: 斉:P-MODEL『アナザーゲーム』は いかにも!という感じですが。 平:あの冒頭部分(クリック音に催眠術のようなナレーション)は シルバ・マインド・コントロールを参考にしました。 斉:ユングはどうですか? 平:本を読む程度です。 斉:ユングは学者の間で意見が分かれるんです。 オカルトだと毛嫌いする人も。 夢はどういったものを見ますか? 平:小さい頃から繰り返し見ている夢があるんですが、 ものすごく怖いんです。小さな球体と大きな球体があって、 そのふたつを細い金属線が貫いている、 それだけなんですけど、恐怖感がすごくて。 泣きながら母親に抱きついてました。 今でも見ますが、 さすがに抱きついて泣いたりはしません(笑) (ここで斉藤さんから「今は奥さんに?」 とのツッコミが入るが無視。 他人事ながらちょっと青ざめた/笑) もうひとつは引き出しが出て来るんですが、 数字が振ってあって、4の倍数の引き出しだけ、 中身がぐちゃぐちゃなんです。 (私はここで、音楽家らしい倍数だな、と。 4拍子、8ビート、16ビート…。 が、斉藤さんは夢分析をするつもりはないようで、 またも軽くスルー) 小学5年生頃からバンド活動開始。 近所の大学生や社会人に混じって演奏をする。 斉:同級生に見つかりませんでしたか? 平:「あれは私ではない」と(笑)。 人前で演奏といっても教会を借りて、とかですから、そんなに。 曲作りについて: 斉:平沢さんの歌詞はとても独特ですが、 インスピレーションはどこから? 平:シンボルマーク事典から、色々と。 斉:曲の方は 平:降って来るのを待ちます。 降って来るのを待つのが曲作りという感じです。 例えば部屋の角など、降ってくる場所が出来たら、 そこでじっとしてます。 降りて来ない場合は角を換えます。 (客笑う)いえ、ホントに。 作り始めても、納得いかなければボツにします。 スタッフに好評でもボツです。 (前半のトークと 後半の質問コーナーの話が混ざってますが、お許しを) 外注仕事について: 斉:『千年女優』に続いて、WOWOWで放送予定の 『妄想代理人』の音楽を担当したそうで、 アニメ関係の仕事が多いようですが、アニメは見ますか? 平:いえ、見ません。その前に『ベルセルク』という、 アニメ作品の仕事をしたんですが、 参考の為に原作を読んだりするくらいで、全く。 ・NHK『おかあさんといっしょ』で使われた「地球ネコ」は 先方が示したコンセプトに沿ったものを作っただけで、 アニメーションの「砂漠を抜ける対陸弾道ミサイルは 私の指示ではありません(笑)」。 ・やおい本でネタにされる事について。 「構いません。 しかしそこで描かれている事と現実は違います」。 居住地をつくばにした理由: 斉:つくばは自然の中にいきなり人工的な、 共産圏にあるようなモニュメントが沢山あって、 インド料理屋の窓からロケットが見えたり。 居酒屋みたいな所がなくて息抜きが出来ないせいか、 自殺率が一番高いんですよね。 平:そういう所が気に入ったんです。 今は住宅地に住んでますが、行く行くは。 15分程の休憩の後、質問コーナーへ。 ・ナイロン100℃の公演タイトルに『青十字』 『フローズン・ビーチ』『ハルディン・ホテル』など、 曲のタイトルを使われる事について。 平:いつも事後承諾です。構いません。 ・P-MODELはまだ培養ですか? 平:培養です。再開するなら衝撃を与える用意が必要です。 斉藤さん、いかがですか? メンバーはミュージシャンとは限りませんよ? 斉:いえ、私は…(苦笑)コーラスでなら。 ・「地球ネコ」は歌いますか? 平:歌いません。 タイのオカマばなしから関連する質問: ・なぜ日本のオカマじゃないんですか? 平:日本のオカマは商売のイメージがあります。 タイでは日常から普通の女性のように暮らしています。 ・平沢さんは男寄りですか?女寄りですか? 平:私は男です(きっぱり)。 「寄り」って…。男寄りです(笑) ・叶姉妹は本物ですか? 平:本物です。 他、色々あったのだけど、 マイク無しで質問する為全く聞こえず。 平沢さんの「歓迎します」、「構いません」、 「指示して欲しいですか?」など、 答えのみ聞こえて何だかさっぱり。 すれ違いが少々ありながらも 濃いお話を聞けたイベントだった。お疲れ様でした。 PR ![]() ![]() 忍者ブログ | [PR]
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