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9月25日公開『ミッドナイトスワン』100秒予告

公式サイト『ミッドナイトスワン

取り上げる題材の難しさをしっかりと理解した上で、
娯楽作品として成立させる客観性も持ち、
とても丁寧に、思いやり深く作られていた。

近頃は政治利用されつつあるマイノリティ。
無理解を訴えるために
当たりのキツさだけを並べたてるのではなく、
寛容な人々の存在も拾い上げているのは好印象。

2時間を超える作品だが、あっという間に終わる。
無駄な説明台詞やシーンは無く、
かなり濃縮させているので、
もし感傷に浸るならば
鑑賞後にゆっくりどうぞ、という感じだ。
スクリーン上で情感を終わらせてしまう
インスタントな作品とは一線を隔している。

とても丁寧に作られている、と述べたのは
小ネタに気付いたからでもある。
主人公、凪沙が読んでいたマンガは『らんま1/2』。
水に触れると男から女に変わる。
このことが凪沙自身の目覚め(違和感)エピソードと
シンクロする。

バレエ経験者としては、一果の成長を
足先や姿勢、柔軟性で見せていたのは
「わかってらっしゃるな」と。
体の隅々まで行き渡る意識。
楽しくなってくると
手すり見付けたらストレッチしたくなるし、
アパートの狭い廊下でも跳んでみたくなるし、
隙あらば踊りたくなるものだ。

人を受け止めるだけの役割を押し付けられて来た一果が
踊ることで自己を開放して行く姿は潔く、みずみずしい。

凪沙を演じた草彅くんは
この作品で役者としての真価が広く伝わったと思う。
高く評価され続けて来てはいても、
ナチュラル過ぎて素通りされてしまっていたというか。

主たる物語を支える役者さんたちも良かった。

観終えてから、しばらく抜け出せなくなる作品は稀。
良かった。

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