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『世界は今日から君のもの』

たった一瞬の出来事が
何年も何十年も心に影を落とす、
あるいは光を放つ。

自分以外の誰かを軸にして生きている人は
実は少なくないのではないか。

生きるスピードは人それぞれ。

割とキツイ攻撃を受けているのに、
簡単には涙を見せない主人公の芯の強さ。

この作品は穏やかに自縄自縛からの解放を
段階を経て実現させた。
並外れた絵の才能の持ち主だから一歩踏み出せたのだと、
同様の境遇にいる人達からの共感は薄いかもしれない。

けれど、飛び抜けた能力のある人だけが
この世界で生きている訳ではないからさ。
何を捨てて何を抱えるか、しっかり考えたいね。

と、物語は良かっただけに、
度々自主制作かと疑うような場面が散見されるのが残念。
門脇さんとマキタさん以外の
出演者の演技はあれで正解なのだろうか。



『無限の住人』

定評ある魅力的な役者を次々登場させながら
名シーンといえるカットが全く無い。
説明台詞では補いきれない、乏しい心理描写。
何がどうしてそうなった?の連続。
ふわっとした人物像をもとにして相関図を
頭で組みながら観るのは結構な負担である。

例によって原作未読だが、
こんなに雑な作りではないはずだ。
無理に詰め込んで、
結果的に木村くんがカッコイイだけの作品に
なってしまったように思える。
片目であれほどの殺陣を見せてくれただけに惜しい。

傷を治す蟲を仕込まれたのに
目が潰れたままなのは何故だ。
この疑問で早くも躓いた。
矛盾や飛躍が気にならない作風まだしも、
トーンがダークで物語がシリアスだから
観方に迷いが出る。

映画ではなくドラマ化し、
丁寧に一話一話制作すれば新たな時代劇として
楽しめたのではないか。
いくら時短のご時世とはいえ、
じっくり楽しむ作品があったっていいじゃないか。

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『銀魂』


映画『銀魂』予告2【HD】2017年7月14日(金)公開

原作読まず、アニメ版観ず、
実写化した作品を観るパターンが多い。
『GANTZ』とか『東京喰種』とか。
原作ファンからはおおよそ批判される出来になるものだが、
それをせずにいられないほどに集客が見込めるのだろうな、
マンガ・アニメ関連は。

昨今はネットの普及で何事も暴かれてしまうため、
大人の事情を理解しながらも、
毛嫌いする向きも伺える。

この作品はコメディ要素が強く、
歴史ものでありながらSFでもあるという
荒唐無稽な演出の連続で、作りものである事を
過剰に見せ付けている。
物語の軸は熱い友情、仲間意識。
表現が現実から逸脱すればするほどに
「仲間を求める心情をまんま描いたら恥ずかしい」、
そんな照れ隠しを感じる。

堂本剛くんのシャナリ感は色気アリ。
誰もが思い切りの良い、振り切った演技を見せる中、
橋本環奈ちゃんは一つアタマ出てたと思う。
将来が楽しみ。

『湯を沸かすほどの熱い愛』

『湯を沸かすほどの熱い愛』公式サイト

余命系作品が流行りだそうで。
もしハッキリと死を意識し、受け入れた時には
先送りにしていた様々な事柄を
急いで片付けたくなるだろう。
そんな凝縮された死までの日々の記録。

主人公は他の登場人物それぞれの境遇に
ポジティブな収束をもたらす圧倒的な母性を見せるも、
自身は…という皮肉。
血のつながらない者同士でも生まれる、
血を分けたかのような愛の形。

ラストの演出はちょっと現実離れしていて、
そのフィクション感で涙が引っ込んでしまった。
それでも真に迫る宮沢りえさんを中心に繰り広げられる、
名ばかりではない実力派俳優たちの競演による佳作。

ただし、変態性欲が垣間見られる場面もあるから
ダメな人はダメかもしれない。
ちなみに私はウッとなった。

この終わり方は、と考えてた所に
良いタイミングでエンディング曲が流れた。
聞き覚えのある歌声。
minus(-)「B612」だ
(この曲ではクガツハズカム名義で参加)。
知らずに観た作品だから「!」と驚き、聴き入った。


きのこ帝国 - 愛のゆくえ

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映画『エクス・マキナ』予告編

アタマ10分くらい過ぎてから観た。
山奥に住むマッチョなCEOとヒョロい青年(エンジニア?)。
どうやらAI搭載ロボットの性能テストに選ばれたらしい。
女性型で美しく、妙齢。
顔面以外はロボ感丸出し。
名前はエヴァ。

CEOが青年に施設を案内しながら
テストに関する諸注意や心構えなど無駄なく伝えて行くので、
観てる方もスムーズに理解出来る。

精密機械の研究施設らしくチリ一つ無い清潔感、
しかしインモラルな雰囲気が漂っている。

コミュニケーションを取らないとテストにならない。
ガラス越しの対面形式はまるでお見合いのようだ。
青年の不憫な生い立ちをほぼ無表情で聞いていたエヴァは、
着たい服があると、着替えるために席を外す。
戻って来た姿に驚いた。
「着たい服ってそれ?」と言いたくなる地味さ。
髪はベリーショート。
そのアンバランスさは目的遂行に合わせた計算の上、
出した答えである事が物語が進むにつれて
明らかになって行く。

AIとの頭脳戦という触れ込みの割に
簡単に翻弄される朴訥青年。
恐らくAIに勝ち続けて来たCEOは刺激が欲しくなって、
自分とは真逆の人物をぶつけてみたくなったのではないか。
そして青年を通して、
自らの行いが如何なるものであるかを知らされるのだ。

キリスト教的倫理観を持っていると
こういう結末を導くのかもしれない。

ここからはネタバレ含む感想。

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TWIN PEAKS Official New Season Trailer - 25 Years Later (2017)

掘り下げた解説、分析、考察の記事や
著作物を読み込んで
受け売り並べてもしょうがないので、
私なりの感想をばダラダラと。
詫:ネタバレ含みます。

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『アリス・イン・ワンダーランド』

意に添わぬプロポーズからの逃避先は
子供の頃に体験した不思議の国。
数年を経て、赤の女王に支配され大きく変貌、
予言の書にある「救世主」はアリスだった。

視覚的にぶっ飛んでいても物語としての破綻は無く、
トラウマ克服を大きく扱うあたり、
T・バートンらしいと感じる。

『眺めのいい部屋』で知ったヘレナ・ボナム=カーター。
T・バートン作品で演技の幅というモノを見せられている。


『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』

前作でも生活のために娘を売ろうとした母親、
今度は自宅の権利を売ってしまう。
父の船での航海から戻ったアリス、
船との交換を条件に自宅を取り戻すか、
選択を迫られる中、マッドハッター救済を乞われ
再び不思議の国へと向かう。

時間の概念が加わった旅はマッドハッターだけでなく、
赤と白の女王、二人の心にも及んだ。
時計を構成する精密な部品が画面を踊るのを見て、
これらの一つ欠けただけで世界は止まるのだ、
それを心のありようとも重ねてみれば、
停滞を感じている時には、
自分の中から何かが欠けたのかもしれない、と思った。


『青の炎』

暴力を振るう男(主人公の元義父)から身を守る術を
模索するも、法を犯す手段に出るしかなかった哀しみ。
離婚したはずの義父が家に押し入って来た理由が
後に明かされるのだが、
本当の気持ちを素直に出せない不器用さもまた哀しい。

弁護士事務所で相談する場面での
「話しながら立ち上がる」舞台演出っぽさ、
義父役・山本寛斎さんの表情はいいのにセリフが棒っていう
落差に集中が切れる箇所ありつつも、
二宮くんと松浦亜弥ちゃんの二人が醸し出す
あの年頃ならではのぎこちない空気感、良かった。


『ザ・ビーチ』

マッチョ化する前の美しいディカプリオは
無鉄砲で奔放な役が多い。
それでも知的ならいい。しかしこの作品ではアホだ。

旅行先(タイ)で会った人物に秘密のビーチの話を聞き、
フランス人カップルを誘い、向かう。
そこには武装した原住民がおり、
旅行者で構成されたコミュニティがあった。

私の嫌う左派思想が作る社会の末路のようだった。
60年代のヒッピーやら学生運動やら、
未だに続けてる人達いるけど、
責任を負わない自由なんて迷惑でしかないから。
この作品のような、
幻覚剤と武器で支える楽園など無い方がいい。
皮肉を込めて描いているのかと、ちょっと笑った。

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