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4日間連続で0:45から約2時間、BSにて放映。
夫婦間のあるあるネタ横溢で飽きない。夜更かし万歳。

映画でありながら舞台を映しているようだったり、
サスペンス風カット割でドキドキ感を煽ったり、
角度やアップの使い方など、素人にもわかる緻密な計算に
フーン!と鼻息荒く観た。
さすが巨匠イングマール・ベルイマン。

メインとなる二人が心理学教授(夫)と弁護士(妻)であるからか、
セリフに知性が出て硬い。
しかしそれが前述の撮影法の助けもあり理解し易く、
加えて物語を壊さないキャスティングで、
映像として観ていながら小説の読後感を味わえた。

‘やっと夫が話を聞いてくれると嬉しく感じながら自身を語る妻。
ふと顔を上げると…’(@『ある結婚の風景』)、
ここは妻に取って本当にショックで絶望的なシーンなんだけど、
うっかり「コントか!」と突っ込んだ。
男性からすれば、
あのコンディションでは仕方ない、
それを読めずに期待した妻は真に愚かである、
と断じるかもしれない。
私もそう思ったが、なぜ情で動き依存するようになったかの理由は
このシーンで夫に語った内容で理解出来る。
二人共せっかくの好機を逃す所が、決裂を運命付けている。

全編にわたる口論は互いを理解する為にしてるようでいて、
理解を示さない(と感じる)相手を罵倒しているだけ。

妻が執拗に夫を追い求めたのは
答えが自分の中に無いと思うから?
別れて30年経っても、なぜ会いに来たのかの問いに
「呼ばれたような気がしたから」と答えていた。
依存的である。
自分の意志で「会いたくなったから」と答えていれば
別の道を歩めたのではないだろうか。

サスペンスドラマのようにセリフで全て説明し整理するでもなく、
メロドラマのように夫婦のどちらかに共感させるでもない。
互いに忍耐と犠牲を強いられて来たと言い合う夫婦の
ありがちな場面の連続ながら、鑑賞者と分離させて
安心感を持たせる作り方は、学ばせようとする姿勢かと思う。
人によっては夫婦それぞれが露にする醜い部分に
グッタリ来るかもしれないけど。

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いかにもノワールなタイトル。
物語は連続強盗犯を追う二人の刑事を中心に展開。
実話を基にしているらしいが、
あんな悪いヤツが居たとは。恐ろしいなフランス。

警察トップの座を得る為に手段を選ばない刑事を
ジェラール・ド・パルデューが、
部下からの人望厚い昔気質の刑事を
ダニエル・オートゥイユが演じている。
この二人の共演ってだけで観た。

うん、殿方向けだ。

***

久しぶりにこのタイプの作品を選んだのは
野沢那智さんの訃報が影響してる?と、観ながら思った。
野沢さんといえばアラン・ドロンの吹き替え。
フランス映画にドボッとはまったきっかけは
テレビで観た『太陽がいっぱい』吹き替え版だった。
中学生くらいだったろうか。

それからA・ドロンの出演作を一通り観、
ジェラール・フィリップの出演作に移り、
ジャン・コクトーの作品に傾いて、
カトリーヌ・ドヌーヴの『昼顔』に衝撃を受け、
『ベティ・ブルー』、『キリング・ゾーイ』、
『カミーユ・クローデル』、『王妃マルゴ』、
『デリカテッセン』、『髪結いの亭主』と親しんで来たが、
以降は全くといっていい程フランスの映画を観てない。

たまには激情に触れるのもいいかな。

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『カムイ外伝』
主要人物3人が全員長身で、
忍びの者なのに俊敏さが全く出てない。
ガケを跳び上がるシーンは
重力を過剰意識してるようなCG処理。
獰猛なサメは明らかに作り物。

個性はあっても厚みが無いというか、
各キャラの背景がわかるような描き方をしてなくて、
演技力に頼るしかないペラペラ加減。
佐藤浩市さんと小林薫さん、
冒頭でカムイと戦った少女(役名も役者名も知らぬ)以外、
魅力的なキャラクターを見つけられず。

端役にも名のある役者を使うのは豪華だが、それだけ。
楽しみにしていたPANTAさんがバチッと映ったのはほんの数秒。

そういえば公開時、松山ケンイチさんと小雪さんの
プライベートを売って注目を集めようとしていたな。
つまらない作品だと知らせているようなものだ。

お金を払うなら300円。



『スカイ・クロラ』
『アヴァロン』で見せた滑らかで美しいリアルな映像と
二次元アニメ映像との好ましい融合。可愛い犬。
しかし。
前評判の良さに期待し過ぎたのか、
ちょっとした所にガックリしてしまった。
飛行機のエンジン音などに気を配ってる割に、
顔を覆って話してるシーンで何の遮蔽も無くクリアだったり、
滑走路上がツルツルなんじゃないかと思う程に
機体がスムーズに移動していて、ノイズ加工が甘い。
もし意図的にカットしているのだとしたら、
考えようによっては凄いかも。

平和を保つ為にショーとしての戦争を
思春期の姿をした専任パイロット達にさせる、強烈なエゴ。
それに大人しく従う者ばかりではない。
新しく赴任した少年は厭世的で、先は見えていたけれど、
最期の一言(ネタバレ防止の為、秘密。英語でのセリフの方が
理解しやすく、言語の持つ質の違いを感じて面白かった)は
命を懸けて世界を変えようとする意志が見えた。

昔デパートの屋上にあった、
10円で動く子供用の乗り物で話す二人のシーンは
何を表現しているのだろうか。

観た後に色々と話せる良い作品。
考えるのが好きな人同士ならきっと朝までコース。

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『ララピポ』
この作品で描かれているような人と人との繋がり方は
東京だから生まれ得るのかわからないけれど、
「君は一人じゃない」と慰める歌を薄っぺらく感じるのは、
マイナスと云っていい依存の形も見えているからだと思う。
自分の持つ何かを与え、糧を得る。
生きて行く上で欠かせない働き、循環。
登場人物それぞれの迷いを見せるシーンがほとんど無く、
なりふり構わず生きる姿勢にタフさを感じた。



『てぃだかんかん』
珊瑚を移植する時に名前を書いた旗(印)を付けるのだが、
数多くある中で 「ミサエ」が目に付くと思ったら、
モデルとなった人物の奥様の名であった。
ナイナイ岡村さん演じる主人公より
脇役の皆さんが魅力的に映ったのは
‘周りの協力あってこその成功’
を際立たせる演出が続いたからだろうか。
お役所や学会の無理解は対比させる材料に見えてしまう程、
単純な構図。 エピソードが事実だとしても、
自然破壊に繋がる開発を巡っての 沖縄住民の対立構造に
もう少し触れてくれたら…と観ていたが、 ドキュメンタリーではなく、
エンタテイメント作品である事を思い出し、 真剣に観るのをやめた。
苦労を経ての結実に心が動くのは、
直接関わったり、同時進行で様子を伺えていた場合だ。
努力や他人を支える喜びを知らない私は蚊帳の外。



『20世紀少年』
日テレの3部作3週連続放映で観た。
エンディングが違うらしいが、オリジナルを観ていない。
「ともだち」が誰か、最後まで思い出してもらえなかったのが
良かった。 仲間だ絆だと命すら懸けて盛り上がる
心温かな人間達の頂点に立っていたケンヂ。
狂気の沙汰も本をただせば。
あの後、謝れなかった事を十字架に生きて行くのかな。
悪事は忘れないと生きて行けないとでも言いたげな物語で、グサリ。
※ブリザードの中で「名前は?」と尋ねた男こそ‘不滅の男’だったが、
巷で全く話題にしてもらえなかったのが寂しい。

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