The Cure『Why can't I be you?』 タイトルはロバート・スミスが懇意にしていた 友人の一言と記憶している。 相当イラついたのだろう、能天気な曲に付けた歌詞は 大げさで的外れな称賛に溢れた褒め殺し。 ムチャクチャな表現も並ぶ。例えば ♪everything you do is simply dreamy, everything you do is quite delicious ♪you're so perfect,you're so right as rain と、おかしな形容。 「quite angelicate」は「すっごい天使!」とでも訳すのか? とにかく薄気味悪い絶賛の嵐で、 ♪kiss you from your feet to where your head begins は足からのスタートで、かしずいているのが目に浮かぶよう。 テクニック的にも、 メロディに合わせるにしても「君」を3回使うしつこさや、 「頭の始まってる所まで」って表現が上手過ぎて卒倒。 むやみに持ち上げる人達へのウンザリ感が伝わって来る。 そんな皮肉たっぷりな曲を更に強化するPVは 羨望の的とされるポップスターなんか「所詮こんなもの」と、 「これでもまだ僕になりたい?」と訴えているようでニヤリ。 ラストの衣装がまたわかりやすい事この上無し。 世界規模で成功を収めたミュージシャンの心情は 想像する外無いが、何気ない一言にイラッと来て作った曲が アレンジや歌詞、PVも含めてジメジメした方向に行かず、 パーッと笑える方向に仕上げたのは極めてポップな所業。 拍手。 PR 忍者ブログ | [PR]
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