忍者ブログ
『自由すぎる報道座談会』(仮)~報道災害なう!2~
2011年5月1日(日)新宿ロフトプラスワン
出演:上杉隆、烏賀陽弘道、他(カメラマン兼記者さん)
進行:プチ鹿島、畠山理仁

言論統制だの情報操作だの、
ネットで広範囲にニュースやコラムを読むようになってからだ、
「日本やばい」と気付けたのは。

悪質な大手報道メディアに対して警鐘を鳴らし、
前線で闘っている方々の話を直接伺える良い機会だと、
久々に東京へ。

上杉隆さんは職場で聞くラジオ番組(TBS)で、
烏賀陽さんは、闘う哲学者・諸野脇正さんが
オリコン訴訟を取り上げてから、知った。

真剣に語る合間に鋭く愉快な冗談が入る楽しい場。
失笑を生む絶望的な状況でも、
事実を歪めず独自に活動を続けたいと望むジャーナリストの存在は
とても頼もしく思える。
旺盛にバクバク唐揚げ食ったりビール飲んだりの姿にまで
「パワーのある人達は違うなあ!」と、感じ入った。

内容簡単メモ(当日の話題順ではありません)
・自社都合により、会見場そのままに報道されない事は日常茶飯。
 最近では堀江貴史さんのライブドア社員への謝罪を
 一切報道しなかった。
・自由報道協会が設けた会見場、テレビ報道時にモザイク処理。
 非営利団体に対し、不可解な処遇。
・福島原発周囲の立ち入り禁止区域設定により、
 物資が全く届けられていないエリアがある。
 もちろんそこへ大手メディアの記者が取材に行く事はない。
 賠償請求を恐れる上層部に禁じられているから。
 ジャーナリズムの不在である。
 「しょうがないよね、TBSは不動産屋だから」(上杉さん)。
・烏賀陽さん、被災地に赴いた際にラーメン屋で某YTV記者に遭遇。
 その記者は東京からハイヤーで乗り付け、大声で1600ナンボの
 料金まで経費で落とそうと「領収書ちょうだい!」と大騒ぎ。
 訴訟回避を理由に次々と店を閉める大手フランチャイズに比べ、
 たくましく営業を続ける『ラーメン太郎』に
 「ぜひ行って下さい。安くて美味い」。
・原発が爆発を起こした時、田中真紀子氏
 (上杉さん、小声で「田中真紀子でございます」と真似る)が
 退避エリアを広く設定するよう政府に訴えるも、無視される。
 広めに設定しておいてから徐々に狭めて行けば
 不安を煽らずに済んだところを、政府は逆をやった。

・志を持って新聞社に入った人達が、生き残る為に歪んで行く。
 表面上穏やかで腹黒いと言われる京都人だからと
 誤解されてるかもしれないが、志を持って入社して知った
 内部の荒廃ぶりには暗澹たる気持ちになる、と烏賀陽さん。
 都合の良い記事を書いて欲しいと貢物が次々に送られて来るのを
 全て開封せずに突っ返したと他の記者に話したら、
 「珍しい事するね」。
 現在のクライシスで真の報道がなされると期待したが、
 変わらなかった。暗澹たる気持ちである。
・日本の新聞は酷い。他社の記事を平気で持って来て掲載する。
 海外では引用元を明らかにするのが常識。
 横並びに同様の記事を載せないと批判されると考えている。
 だからどこの新聞を読んでも差が無い。
 「東スポは『週刊女性』に載ってたって書いちゃいますよ」(鹿島さん)
 その点ではジャーナリズムが見える。
・烏賀陽さん、福島の新聞を持参。
 天気予報の隣に放射線量と風向きを知らせる枠が用意されている。
 現地では当たり前の情報提供。
 このおかげで住民は対策が可能になる。
・グリーンピース(みどりまめ、と上杉さんは加える)からの
 海洋調査申請を日本は断り続けている。この団体は報道により
 過激で危険な組織だと思い込まされているが、そんな事は無い。
 他、海外からの調査結果を日本は「信用ならない」と否定したが、
 後に「日本の出した結果と変わらない」と発表。

・311の前に宮城で大きな地震があった。
 その時にも警報が出されたが、30cmほどの津波。
 この時に避難した人達が
 「この程度なら」と油断した所に、起こってしまった。
 当日は子供が学校にいる時間で、
 お迎えをおじいちゃんおばあちゃんに頼んだ家庭が多く、
 それで主に子供や高齢者が犠牲になってしまった。
 100人強いた生徒のうち、70人ほどが亡くなったという事実には
 言葉が出ない。そんな経験をするとは思ってもみなかった。
・政府が放射性物質放出の情報提供を遅らせた事で
 一番可哀相なのが、小さな子供を抱えた母親達。
 自分の与えた母乳で、将来、
 我が子を白血病や甲状腺ガンで苦しめてしまう可能性がある。
 そんな母親達は政府を恨まずに自分を責めるだろう。
・日本で、実名や顔をさらすFacebookでなく
 匿名性の高いmixiが広く利用されるのは、
 海外では日常的に行われているホームパーティの習慣が無いから。
 見知らぬ人も参加出来、紹介し合い、付き合いが広がって行く。
 こういった社交が身についている人々は
 名前も顔も出さない人間の言う事など、取り合わない。
 海外でmixiがウケない理由はそこにある。
・上杉さんの情報入手法の一つにFacebookがある。
 そこには日本政府が出さない重要な情報が転がっている
 (名前と顔を出すツールだからって信憑性を高めるとは言い切れない
  と、個人的には思う)。

・「この国のメディアはさあ、僕達の側にいないよね」
 (国民の側に立っていない、という意味)。
・平常時にも電力は余っていた。
 節電は必要だが、計画停電は不要。
 火力発電はCO2の問題があるけれど、
 この非常時には許容されてしかるべき。

・質問コーナーにて。
 復興支援ボランティアに関し、
 「女性の割合が多く、それがいけない訳ではないけれど、
 やはり瓦礫撤去などの力仕事は男の力が必要。
 指揮を執るはずの人間(辻元清美)は何をしているのか(要約)」
 への回答は、
 「ボランティアは何人行っても足りない。
 自衛隊も米兵も瓦礫撤去にかかりっきり。そんな中、
 避難所で暮らす人達には話し相手が一番喜ばれる。
 どんな事があったか、誰かに話したくて仕方ない。
 それには女性が役立つ」、
 「福島への新幹線が通るようになって、
  駅からプリウスもレンタル出来るようになりました。
 ガソリン供給が少なくても行けます」など。
・「一度は被災地に行って、実際に見て下さい」と仰る烏賀陽さんに
 「それで渋滞が起こってるんですよ」と観客から
 (見に行くな、という意味で言ったのではないだろうが、
  先の質問者同様、指揮を執る人間を待っている感じではある)。

他には上杉さんがTBSラジオの番組を突然降ろされた話
(佐々木俊尚氏から「デマを流した」と言いがかり?)や
大手メディア記者の不遜な態度暴露、
烏賀陽さんが現地で撮った写真をスクリーンで見るなど、
盛りだくさん。
コンプレックス再結成には
上杉さんと西寺郷太さんの前フリがあったとの話もあり。

電車の時間迫り、22時40分に退出。
烏賀陽さんによる
「ここに来た人達はメディアリテラシーが出来てる」との
プライドをくすぐる発言には少々恥ずかしい思い。
まだ去勢された国民の1人でしかないから。

拍手[0回]

PR

Comment
Comment Form
Name
Title
Color
Mail
URL
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Comment List

Trackback

Trackback URL :
Trackback List

1089  - 1088  - 1087  - 68  - 67  - 66  - 65  - 64  - 62  - 61  - 60  - 
忍者ブログ | [PR]