![]() 『切腹』 江戸時代始めの頃、お家取り潰しが続いた。 主人を失って貧しさに苦しむ浪人は、 裕福な大名屋敷での切腹を願い出、 面倒から金子で追い払われるのを見越した 「狂言切腹」で食いつなぐほどであった。 武士の精神を持っていれば相当に屈辱的な行いだが、 それほどに貧しかったのだろう。 しかしそれがゆえに誰にも相談せず、 度を越した見せしめの犠牲となった人物の 悔しさは想像を絶する。 「窮状を理解しないお上」は現在でも変わらない。 最後、仲代達矢演じる津雲半四郎が斬ったのは 慈悲の無いその屋敷の主人では無く、別のもの。 実の仇はそれだよね、うんうん。 忠誠を誓う対象を持つのはいいけど権利の乱用はダメだ。 約50年前の作品だから 大御所役者さんの若かりし頃も観られて興味深い。 清水健太郎そっくりだと思ってクレジット見たら三國連太郎、 じゃあ佐藤浩市はお母さん似?とか(下らない)。 丹波哲郎のドッシリした迫力や岩下志麻の存在感も見所。 『僕と妻の1778の物語』 現実感の薄い小説家とそれを理解し支える妻。 突然のガン告知で「僕が妻にしてやれることは」と 思いついたのは一日一作、小説を書くことだった。 SF作家だから夢想家って訳でも、 幼稚なイメージばかり湧くって訳でもない気がして、 そういった演出が出て来る度に興ざめして 涙が引っ込んだりしたけれど、 原作者と思しき人物が登場した時に なぜか腑に落ちた。他のシーンでは 二人が愛し合っていると伝わって来たし。 結婚は愛してる人とするのが一番だと思った。 お別れ(=死)の辛さも受け入れた上で。 『ハンサム★スーツ』 ブサイクだと虐げられる男が ハンサムスーツを着てハンサムに変身! 軸はこれ↑だけだし、極端な人物設定だし、 悪役は名も無い一般人に任せてるし、 エンディングすんなりだしで、 特に重みも何も無いんだけれど、 普通一般に、恋愛に臆病だったり、 素直に恋人の胸に飛び込んでいけなかったりする人達の 葛藤や悩みをバチッと表現している作品に思えた。 表面だけを見て判断しないという教訓は この作品自体にも敷かれている。バカに出来ない。 谷原さんが塚地さんの演技を完コピ。すごい。 佐田真由美のサイボーグ的美貌もすごい。 おかげでミスリードに乗ってしまった (ハンサムの正体を探る理由を深読みさせられた)。 バンドブームの頃に流れていた音楽 (ユニコーン「大迷惑」米米クラブ「Shake Hip!」など)が 場面を盛り上げているのも楽しめた。 *一部敬称略失礼 PR ![]() ![]() 忍者ブログ | [PR]
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