![]() 3月にキリ・テ・カナワが来日公演を行う。 オペラが特別好きという訳ではないのだけど、 彼女の生歌は死ぬ前に一度は聴いておきたくて。 きっかけは映画『眺めのいい部屋』。 女性映画の金字塔とも呼ばれているこの作品には、 プッチーニのアリア「私のお父さん」と 「何と美しい夢」が使われている。 作品自体、イタリアとイギリスの美を これでもか!と見せ付けるもので、 物語は単純ながらも恋に疎い私さえウットリさせる引力を持つ。 音楽の格調高さは云うまでもなく。 20年以上前、フジテレビはCM抜き・ノーカットで映画を放送する 『ミッドナイトアートシアター』なる番組を持っていた。 今はBSもあるし珍しくなくなったけど、当時は貴重な編成だった。 選ばれる作品もレベルの高いものばかりで、 近所に映画館のない環境にいた私は 寝不足厭わず楽しみにしていた。 今思えばヨーロッパ系が多かったからスノッブだったかも。 この番組に刺激され、 往復約4時間かけてシネスイッチ銀座まで行き、 『予告された殺人の記録』観てマルケス読んだりと 芋づる式文化吸収、友達誘うのが面倒になって 単独行動に出るようになった元と云っても過言ではない。 いや、『冗談画報』も熱心にチェックしてたから過言だけども。 多感な時期を深夜放送で過ごし、培った趣向が今オペラにまで届く。 映画に使われたアリアを歌うかわからないのにC席8000円! 社交界デビューとかドレスコードとか気にせず、 チケ代さえ払えば入場出来る時代になって良かった。 こういうチャンスに恵まれると「生きとくもんだな」って思えて嬉しい。 PR ![]() ![]() 忍者ブログ | [PR]
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