![]() 参加ミュージシャンを見てポコチンロックを思い出した。 バンドブーム華やかなりし頃、 このどうしようもなくバカなジャンルを作り出し、 意味もなく賛同者を集め、 ついには渋谷公会堂でラストライブを敢行。 このイベントでも現ちゃんはヒーローであった。 なぜか上田撃滅BANDが結成されて、 ブルーハーツの「リンダリンダ」を「上田上田」に替えて歌われ 揶揄されたのだが、それでも怒る事無く 「今日は僕の為に集まってくれて、どうもありがとう」と 肩に鳥が留まってる(*)キチガイ指揮者の格好で礼を述べ、 絶賛を浴びたのだ。 この映像を観た時も「愛されてるな〜」と思ったけれど、やはり。 参加者全員が個性を出しつつも、 現ちゃんの世界を大切にしてくれている。 *ビデオ見直したらピエロのぬいぐるみでした。失礼。 元ちとせ「コリアンドル」 エジプトに行こうと思ったら、当時は湾岸戦争の最中。 それでマレーシアへという実話から展開された曲ゆえ、 どこか間が抜けてて、でも中東では戦争が起こってて。 常夏に近い奄美出身の元さんは マレーシアの抜けるような青い空を想像しながら 歌って下さったのだろうか。 明るくも湿度の高い印象。 レピッシュ「ワダツミの木」 キーボードが現ちゃんだ。自分のトリビュートなのに(笑)。 どうしても歌詞から母性を感じ取ってしまうけれど、 語り部としてマグミさんは優れていらっしゃるから。 悲しみと、それを受け入れる強さを控えた覚悟の同居。 奥田民生「プレゼント」 ロックは嫌いだが、奥田さんのは好きだ。 大好きな彼氏の誕生日に 自分でリボンかけて「あ・げ・る(はぁと)」とか やらかして玄関先で嫌われる悲劇より 安部公房の『箱男』的世界観を感じる。カッコイイ。 THE BOOM「タンポポ(Toys2)」 オリジナルと大差ないアレンジも、 途中で入ってくるパーカッションはレピッシュには無いもの (「リックサック」のサンバとも何となく違う)で、ブームらしさを感じた。 クールな社会風刺になっているのも、 もしかしたら今作中一番現ちゃんの世界から遠いかも。 ダメじゃないけど。 BUCK-TICK「ハーメルン」 元の子供を連れ去って行くという設定を無くしたのは賢明だ。 このボーカルスタイルでは、 いなくなるのは妙齢の女子ばかりだろう。果たして バンドブーム期を通ったミュージシャン達の歌になっている。 上手い。 東京スカパラダイスオーケストラ「−6m」 う〜ん、インストだともう完全にスカパラだ。 ココはアルバムの中間、流れを一変orひと段落させる位置。 曲順の妙も感じる。 伊藤ふみお「夢のブランコ」 風も無いのに揺れるブランコを勝手に想像して怖いよ〜とか 思ってた歌詞。主人公は路上生活者かな? 諦めの境地のような、悟りを開いたような、 レゲエの調子でユラユラする。 POLYSICS「歌姫」 3拍子を残してくれててヨカッタ。 この曲で3拍子の魅力を知ったから。 最後辺りでポリ曲「ロケット」の一部が使われてるけど、 これは「宇宙犬ライカ」への…は考え過ぎか。 星グランマニエと白鳥ブラザーズ(from氣志團)「夕焼けロック」 ものすごい夕焼け感出てる。 それも男子中学生と土手が生み出すあの感じだ。 男同士の友情っていいよなあ。 筋肉少女帯with水戸華之介「サイクリング」 「青ヒゲの兄弟の店」再び (筋肉少女帯の曲。水戸さん歌&作詞担当)。 掛け合いのスタイルは大槻さんの楽曲に多い。 かなりのバランス感覚でアレンジされてて驚いた。 プチ情報: 現ちゃんは大槻さんの作詞能力にいたく感動し、一時期 サックスのケースに切り抜きを貼り付けていたのは有名な話。 大槻さんが水戸さんを「ロック界一のインテリだと思う」 と評価したのも有名な話。 トモフスキー&The ピーズ「ドライブ」 テンポゆったりで全然猛スピードで走ってるように聴こえないけど、 恋人に会いたい気持ちの方が強くて 時速何百キロ出そうと遅く感じるのかもしれない。 川村結花「ラルゴ」 フリースタイルに近いピアノの弾き語りに素朴な優しさを感じる。 現ちゃんのお子さんがコーラスに入る事で、 更に和やかで静かな空間。 空から天国に通じる光のハシゴが降りて来るようなイメージ。 参加ミュージシャンの選出も、選曲も、曲順も、 考えに考え抜いた作品。 これ以上のトリビュートアルバムは難しいかも。 PR ![]() ![]() 忍者ブログ | [PR]
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