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2008年10月19日(日)中野サンプラザホール

On The Road。旅立ちだ。

物販はAtlasバンダナと夕焼けロックTシャツ。
タペストリーみたいに使うかな?とバンダナ購入も、
たぶん「…もったいない」とか言って大切に宝箱行き。
私が初めてレピッシュ観たのはココだったのだよなあ。

席は2階6列27番。遠くてもセンター、不満は無い。
最前列には現ちゃんの奥様や娘さんといった身内の方々。
一緒にいた女の子の髪には赤いリボンが結ばれていたが、
娘さんは黒のリボン(に見えた)。
二人は仲良く変顔対決などして楽しそうだ。
それでもリボンの色が象徴する。今日は追悼ライブなのだ。
ニュース番組では
お父さんが亡くなったとまだ理解出来ていないと。
いちリスナーである私だってまだだ。時間ばかりが先に進む。

開演時間を少し回ってのスタート。

真っ暗な会場。スクリーンに星空。輝くシリウス。
歌なしの「On The Road」。そして「夜行」。
アコーディオンを弾く現ちゃんの写真でオープニング終わり。

スクリーンが上がると、
19世紀初頭のオペラやキャバレーの舞台のような、
柔らかなライティングが美しくて、とても美しくて、
泣いてしまいそうだった。
そこへ道標(百物語でのガイド役。白い被り物に
マジシャンやマイマーのような服)がゆっくりと登場、
マイクスタンド前に立って何かを(細かい仕草は遠くて見えない)。
演奏はELE。
「一日の終わりに」をMAGUMIさんが歌った後は「森の掟」、
「僕の思いは目的もなく月に刺さる」をギターの奥村さんが。
初めて歌を聴いた。とても上手。
普通に現ちゃんのソロライブに来てるみたいだ。
遅刻を埋める為とか、歌詞が飛んで
他のメンバーに歌ってもらってるみたいな(失礼)。
少しずつ夜を深めていく選曲がロマンティック。

次はLA-PPISCH。
一曲目に「プレゼント」…。泣けと云わんばかりだよ(涙)。
現ちゃんの作った曲(=贈り物)に
有無を言わせず受け取らせる暴力性は全く無い。
届けられた後、どうするかは受け手の自由。
喜んでもらえたら、楽しんでもらえたらという思い。
ポストの中で配られるのを待っていた曲達を運んでくれたのは
ELEやレピッシュのメンバー(←代表)なんだな〜とか考えて
声を限りに歌われる
♪届け 僕の贈り物
が胸に来る。
「おやすみ」は奥さんに向けて、
「28才」は家族に向けた選曲だろうと、勝手に思う。
「28才」のキーボードソロは増井さんが担当。
「大陸ラーメン」のボーカルは現ちゃん。
ステージの端で
マニピュレータの松本大英さんがサポートしている様子。
歌声が聴けるのは嬉しいけど、これまで耐えていた涙腺が緩む。
不在をハッキリと示されたからだ。涙が塩辛い。
そして「水溶性」「サイクリング」と続き、MC。

言葉の出ないMAGUMIさんに向けて
客からの心無い(ように感じた)「がんばれー!」に
「俺らはプロだから頑張らなくても出来るんだよ!
 お前が頑張れ!」、
「2階!
 (ワー!)
 聞こえないぞ!
 (ワー!!)
 うるさい黙れ」
といった返しもすれば、
「誰もが今日までを複雑な気持ちで過ごして来たと思う。
 だけどいつまでも留まってはいられない。
 今日は前に一歩進むためのステージだ」と、
グッと来る話もするMAGUMIさん。

ドラムの矢野さんを紹介し、見送った後、
「今日はどうしても叩きたいって。雪好!」。
凄まじい歓声。私も倒れそう。
演奏されたのは「ハーメルン」。ただ耳を澄まし、聴き入るのみ。
しんみりした空気の中、歌い終えたMAGUMIさんが
「コーンプレックス!」と言うので「ハァ?」と思ったら、
スクリーンが降りて20周年記念ライブでの
「爆裂レインコート」が映写された。
メロディというか、言い方が同じで聞き間違えたみたい。
ばーくれっつ!

スクリーン上がり、センターのピアノに照明が当たる。
川村結花さんだ。「野球少年2」と「ラルゴ」を弾き語りで。
その後、追悼の言葉を声を詰まらせながらも懸命に。
「6年程の付き合いだったけれど、
 学ぶ事の多い、濃いい時間だった」
「音楽にはピアノの一音だけでも伝えられる力がある。
 娘さんの桜ちゃんはまだ5歳なのに、指一本で、
 ラルゴの導入部のドラミラ ソシレドを弾いたんですけど
 (『SIRIUS』収録)、それを証明していて、
 すごいなって思いました」など。
まだ人前で現ちゃんの曲を演奏したり話したりするのは
無理だったのかもしれない。感情が溢れて
収拾付かなくなっちゃってたのが気の毒だった。
演奏自体はとても良かったから、
簡単な挨拶とお辞儀の退場でも構わなかったな。

ライブで弾き語りの「ファウル」の映像。モノクロ。
チンピラなピアニストみたいでカッコイイ。(←褒めています)

演奏ELEで元ちとせさん。
曲は「約束」「ワダツミの木」「コリアンドル」「カッシーニ」。
民族的巫女的なパワーを感じた。
MCでは、とてもお世話になって感謝しているけれど
「よく嘘をつくんです。
 エマニエル坊やはエマニエル夫人の息子だって、
 2年間信じてました」。
これからも歌い継いで行くとの事で、よろしくお願いします。
「カッシーニは土星の輪に沿って回る探査機だそうです。
 愛する人にただ寄り添っているだけで幸せを感じられる、
 そんな気持ちを綴った歌詞です」の紹介で「カッシーニ」へ。
 いつの間にかギターで参加していた恭一さんが
元さんを送り出し、次のタームへ。

「ギタリストの時は喋らんのだけど」とMC。
「俺と現ちゃんといえばレピッシュと阪神タイガース。
 13勝をひっくり返されて気を失った。現ちゃんは今頃あの世で
 初代ミスタータイガースの藤村と○○(忘れた)に説教しとる」
「現ちゃんはここに来てくれてると思う。
 MAGUMIが歌ってる時は京セラドームに行ってるやろけど」
「では、現ちゃんの愛したELEと夕焼けロックやります」。
アレンジは恭一さんソロの雰囲気。
現ちゃんの曲は誰がやってもカッコよくなるな。
曲自体に力があるからに違いない。

恭一さんが引っ込んだ後、ベースの石川さんがMC。
「現ちゃんを送ってから一ヶ月後には『Atlas』の
 レコーディングに入り、追悼ライブの準備もしていて、
 半年も経つけど全く実感が無い。
 レコーディング中も遅れて来るのを待ってる感覚だった」
「本当にムチャな事を言う人だった。
 (ライブを)無重力でやりたい!とか(笑)。
 プラネタリウムでやりたい!とか言い出して、
 それは実行出来たけれど、星を映す為に
 真っ暗にしなくちゃいけなくて、‘(ピアノが)白い板しか見えん!’。
 そういうムチャな事言い出すとスタッフが皆呆れるんだけど、
 裏では準備を進めてたりするんだよね。
 毎年3月3日の誕生日にはHPのBBSに
 神社でライブやりませんかという書き込みが入って
 本人が慌てるっていう話も」
時々言葉を失う石川さんに
フォローで絡んで行く奥村さんも泣いてしまったりで、
大きな喪失感が伝わって来る。ふぅ。
現ちゃんにはミュージシャン仲間が多く、
今日参加したくても出来なかった人達も沢山いらしたそう。
裏方さんへの感謝の気持ちも述べ、演奏へ。
曲は「キコエルカイ」「北京の蝶」。
歌は現ちゃん。♪歌えば少し何かが変わるだろうってね

拍手でメンバーが送り出された後、スクリーンが下り、
現ちゃんの写真が次々に映される。曲は「君に会いに行くよ」。
道標がゆっくりと、キーボードを舞台中央に運ぶ。
曲が終わると長い長い無音が続いた。
幕が下りるなどのきっかけがなくて。
誰かが拍手、それに続いた大きな拍手に
ELEとMAGUMIさんが登場。
演奏されたのは「Atlas」。歌い方は「歌姫」。
とにかくMAGUMIさんの表現力・歌唱力が凄い。
レピッシュの時も思った。
改めて「こんなに歌える人だったんだ」と感じ入った。
現ちゃんの曲だから発揮出来るとまでは云わないけれど、
それに近い。
そしてもう一人、力を生かせる作曲者を呼び込むMAGUMIさん。
「中学の時からの友達、恭一!」。
続いて参加ミュージシャン全員が舞台へ。

出演者の名が書かれた紙を渡されたMAGUMIさんに
客からツッコミ入るも、「間違えたらいけないだろ?」とかわす。
「全く知らない人間だったが、
 アルバムを一緒に作って仲良くなりました。奥村大!」
「デビュー前からレピッシュを支えてくれて、
 ソロになってからも現ちゃんを支えてくれた、松本大英!」
「今日、一番出番の多かった増井朗人!」など、一人ずつ紹介。
「最後はやっぱりこの曲」と、「Happy Birthday」を全員で。
追悼ライブなのに誕生祝なんておかしいかな?
でも生まれて来てくれなかったら、
こんな素晴らしい音楽も生まれてくれなかった訳だから。
よくライブの最後に歌われていた曲だというのが
一番の理由だろうけどもね。

「現ちゃんが忘れられた頃にまたやると思うから。
 速やかに撤収!」と、
会場使用時間を少し過ぎてしまったらしく、巻き巻きで終演。

時刻は9時過ぎ。正味3時間。トイレ激混み。
鏡を見たら目が真っ赤だった。頭が痛いのは泣いたからか。

MAGUMIさんの音頭で現ちゃんに「万歳!」。
メンバー紹介でもコール。
自分だけで偲ぶのとは違う。
活動休止前のレピッシュは現ちゃんの曲を封印してたし、
ELEの今後も心配。
出来る事なら再びこうした機会が訪れて欲しい。
今回が最後でも惜しくない程の素晴らしいライブだったけれど。

上田現
杉本恭一
MAGUMI
LA-PPISCH
川村結花
元ちとせ

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