![]() 2008年10月23日(木)東京グローブ座 作:三島由紀夫 演出:鈴木勝秀 出演:篠井英介、石井正則、小林高鹿、山本芳樹、 天宮良、加納幸和 チラシでの雰囲気ある篠井さんと原作者に惹かれて観賞を決めた。 とはいえ三島さんは『葉隠』を読み切れなくて挫折したんだけど。 サドの著作は『悪徳の栄え』他数冊を読んだきり。 支配と従属に魅力を感じないせいか、美的感覚には唸りながらも、 感情面でその世界に酔う事は無かった。 それはこの芝居にも当てはまり、どうも乗り切れなかった。 幕ごとに時代を象徴する衣装(すごい豪華!)に変わるのに対し、 貴族の城のはずが調度品などゼロのシンプルな舞台装置は 全幕同じ。音楽ほぼ無し。 これは人物に意識を集中させる為だろう。 簡単なあらすじ:悪徳により投獄されたサド侯爵。 釈放に向けて尽力する、夫人とその周囲の人々との顛末。 登場人物は女性を大きく6に分割して、 それぞれの質を強調させた感じがした。 つまり6人で1人を表現しているように思えて、 わかりやすくも深みを感じなかった。 更に、特に売春婦役はその品の悪さからか、 多量のセリフを高速で語るのだが、冒頭でカミ倒してくれた為に、 こちらのリズムが崩れた。 三幕(?)で篠井さん(夫人ルネ)と 加納さん(ルネの母)が話すシーン。 ここは花組芝居時代から見て来てる方には 感慨深い場面とは思うけれど、話し方がいかにも歌舞伎の 女形風になってて、フランスが江戸に変わってしまった。 観る前に配役見て「あれ?これジュスティーヌじゃん」と 気付いてしまったのも良くなかった。あたしのバカ。 言い争いなどの醜い面が無く、聖人ぶったやり取りが続いた後の、 最後の最後にああいう仕打ちをする所は 貴族らしくて良かったかな。 「修道女になろうという人が結局見た目かい!」 と心でツッコミ入れたけどね。 PR ![]() ![]() 忍者ブログ | [PR]
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