![]() 7月21日(金)シアターコクーン 作:ジョン・フォード 翻訳:小田島雄志 演出:蜷川幸雄 出演:三上博史、深津絵里、谷原章介、石田太郎、 瑳川哲朗、立石凉子 他 私の席は中二階のバルコニー。 舞台からは10列目くらいで、よく見える。 セットはイタリア中世期らしい石造りで、 屋敷、屋根裏、広場や教会、おおよそのシーンを兼ねる シンプルかつ、用途に富んだもの。 その前面を赤い紐が縦に割るように張られ、緊張感を表している。 上演中はカーテンの揺れや照明で演者の心情を表すなど、 細かな演出。 物語は、頭脳明晰で将来を期待された兄と イタリア一の美貌を誇る妹との間に生まれた愛の顛末。 二人は血縁関係にありながら男女としての愛を育み、妊娠。 その秘密を守るため、対外的に一番ふさわしい貴族と 偽装結婚するも発覚、兄妹が選んだ道は…。 と、30年位前の少女マンガみたいな設定だが結構好きな世界だ。 キリスト教下では、「人は原罪を負ってこの世を生きており、 教義の抑圧が無ければ暴走する」といった刷り込みに囚われる。 いや、道徳や倫理を意識せずに 身勝手に行動する人間ばかりいては 世の中全く収まりつかないのだけど、愛を信条とする教えから 近親相姦は外れるのかどうか。 その答えはタイトル『あわれ彼女は娼婦』にある。 ん〜、やはり女は賢くありたいものだわね。 登場人物はみなキャラが立っており、わかりやすい。 小難しい台詞を矢継ぎ早に投げて 聞き取れない所も少なくなかったけど、 それはたぶん、情熱や焦燥を表現するためだったろうし、 心情はセットに補ってもらったから、その点はクリア。 でも愛の高揚感よりも裏切りや復讐に力が入り、 ギャップ不足で近親相姦に同情するには至らなかった。 ま、それが‘正しい’のだけど。 当時の上層社会ルールや「スペインがイタリアに勝った」との 歴史を匂わせる台詞もあり、色恋沙汰だけではない深みも感じた。 にしても谷原さんは舞台栄えする!惚れた! 貴公子然として、あの美声。上手く演じられたのか、 カーテンコールでガッツポーズ見せてはけて行くという、 素直で目立ちたがりな所も好きだ(笑)。 DVD出たら買おっと。 PR ![]() ![]() 忍者ブログ | [PR]
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