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あらすじ:線路に落ちた酔っ払いを助けた男に、
戸惑いながらも手を貸した刹那、電車が入って来てしまう。
「死んだ」と思った瞬間に、男と共にマンションの一室へ。
状況や理由を知らされぬまま、黒い球体に闘いを強要される。

ドイツ語っぽいタイトルと、白い内壁の部屋中央に
黒い球体を据えるキューブリック風画面に惹かれて観た。

闘う相手は星人(地球外生物?)だが、
ヒトがそれぞれの正義感、愛情、友情、存在意義獲得などで
殺傷やむなしと立ち上がる姿に複雑な感情が生まれれば大成功
といった作品のように思えた。
最後のメッセージは主人公個人のものかもしれないけど、
万人に不足の無い回答。
そのわかりきっている答えを避けるかのごとき競争社会を批判し、
異質の存在を排除する一方的な態度について考える必要性を
訴えていると感じた。

観た後、様々な角度から感想を言い合える良作。

以降はネタバレの恐れもある話を。

原作を読みたくなってWikiやレビューなど読みに行った。
賛否両論だった。どちらの評価基準にも納得。
しかし、原作を読まずに観たのが有利に働いているとしても、
「否」とされている点は全く気にならなかった。
その理由。

<原作と違う。または、省く所を間違えている>
映画と漫画では伝達技法が違う上、上映時間も考える必要がある。
2時間以上椅子に座っていられないからと映画を観ない人は
ザラにいる。原作にある細かい設定まで盛り込む必要無し。
それは長期連載で出来ること。映画では期待しない。
観てる間、物語が進むにつれて少しずつ明かされて行ってたから
置いて行かれた感じしなかったし。

大衆ウケする少年漫画はRPGと同様に、冒険に出て戦闘して、
敵と武器のレベルアップに喜んで、
仲間が増えたり失ったりで悲しんで、
女の色気と優しさに悩んだりってパターンが定まってるから、
バリエーションを楽しむしかない。
『GANTZ』にはそれが備わっていた。

<エロくない。多恵ちゃんがブス(地味)じゃない>
微エロで結構。年齢層狭めない方が回収出来る。
原作の多恵ちゃん見たけど、あのレベルでブスとは厳しい。
現実世界にはキレイでも地味な人いる。
にしても演じた吉高さんは華やかだし美しい。
そこは女性ウケのいいヒロインを迎える事情を読み取った。

<日常世界で流れる時間がゆるやか過ぎる>
それは平穏な日常を意識させるのと、
戦闘シーンのスピード感を生かす為だと思った。メリハリ。

私自身にも「否」に傾く要素があるにはあった。
どこかで観たようなシーンが続いて見せ方に新鮮味が無い。
例えば電車でのアクションは『ダイ・ハード』や
『ミッション・インポッシブル』、
女子高生の殺陣は『キル・ビル』、
自在に人物をコピー出来る相手との戦いは『ターミネーター』、
強制的に戦わされる理不尽さは『バトル・ロワイアル』。
映画化にあたっては、これらとの差異を作る為に
原作の設定を変えたのではないかと推測した。

Wiki読んで、知らずに観て良かったと思ったのは
「玄野計」という名前。
くろの→chrono(時)だから、いきなりのネタばれ。
物理的に命を支配するGANTZとの関係が見えちゃう。

「賛」の要素は
・好きな役者が数多く出演している。
・GANTZスーツがカッコイイ。青く光るのもいい。
・殺陣が素晴らしい。
・簡単に殺さない、時代劇お決まりの見せ方が良い。
・違和感の無いCG。
・お仕置きするのが仏像。

業界における様々な事情を考えると、
よくぞここまでという気になる。
制作費40億円だもの、大震災があった年に(※)。
原作ファンだけを相手にする作り方したら
コケてたんじゃないかしら。

※公開が震災後だったので、劇場に足を運ぶ事すら難しい時期。
それでマニアックに作ってたら悲惨だったろうね、ということです。

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