![]() 11月19日(金)PARCO劇場 原作:マーティン・マクドナー 演出:長塚圭史 出演:高橋克実、近藤芳正、山崎一、中山祐一朗 他 ピローマンはその名の通り、全身枕で出来た男。 子供たちに人生はひどいものであると教え、自殺させるのが仕事。 中には自殺せずに育った子供もいる。 苦痛を味わい、人生を自ら閉じようとするその時、 ピローマンは「ちょっと待ってね」とふっくら抱きしめ、 幸せだった少年・少女の頃まで時を戻し、 親御さんを悲しませない、悲惨な事故に見せかけるよう説得するのだ。 このような痛ましい物語を書く作家の名はカトゥリアン・K・カトゥリアン。 真ん中のKもカトゥリアン。「親が面白がって付けた」という。 芝居は取調室から始まる。 作家(高橋克実)は殺人容疑で連行された。 冷徹な刑事(近藤芳正)と横暴な刑事(中山祐一朗)に 執拗なオウム返しや無意味な質問を繰り返されたり、 暴力で痛め付けられるなど、自白を強要される。 以降、回想シーンや兄(山崎一)との会話で 事件の経緯や真相が明かされるのだが、なんて悲しい芝居だろうか。 本国イギリスでは最初から大爆笑だったそうで、 どういう国民性かと思う(笑) 前半は地味なネタフリが続いて独白も多く、途中で眠ってしまった。 後半は場面転換が増え、 スピードアップして笑えるシーンも出て来て良かった。 バラエティ番組で見られるような高橋克実さんの面白さは 残念ながら感じられなかったけれど、 自分の物語を兄に話して聞かせるシーンなどで 役者としての力を感じさせてくれた。 一番マトモに思わせて危ない役を演じた近藤芳正さんは お笑いセンスがピカリと光っていた。 山崎一さんは無邪気な残酷さと優しさを兼ねた 難しい役をこなしていた。 ところが中山祐一朗さんは前半まるでダメだった。 ひとりだけ間が詰まっていて、 それが若さゆえの短絡ぶりを表現していたのだとしても、 「何?この人」みたいな、空気を読めてない感じに映った。 しかし後半は(役柄上の)仮面が剥がされ、地が出て面白くなった。 「そうか、下手な訳ではないんだ」とトータルで見て納得。 悲しい芝居と書いたけれど、最後はとても穏やかだった。 でも不幸だと思う。そもそも作家になった環境が××だったんだもの。 PR ![]() ![]() 忍者ブログ | [PR]
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