![]() 2006年2月26日(日)本多劇場 作:ジャン・ジュネ 翻訳:青井陽治・武藤洋 演出:G2 企画・出演・演出:3軒茶屋婦人会(=篠井英介+大谷亮介+深沢敦) 楽日、マチネ。数日前にチケを譲っていただいての鑑賞。 4列目という良席にワクワクだが、座席を漂うなかなかの香水臭に デカダ〜ンな芝居だと気付いた時既に遅し(笑)。 少々の嫌な予感を胸に、 お誘い下さったお嬢さんにパンフを見せていただきつつ、 舞台装飾などチェック。 舞台は奥様の部屋のみ。天井は高く、窓も大きく、だが簡素。 色味の薄い花 (後に奥様に「お葬式の花じゃないの!」と叱られる。伏線)を 所々に配置。鏡台もベッドも豪華さは感じられず、楽屋のよう。 楽屋?貴族の部屋が? 貴族といえば、代表として頭に浮かぶのはヴィスコンティの世界。 この固定観念で簡素に見えてしまった。 で、あらすじ。 貴族社会の残っているフランス。 お屋敷に勤める女中たち(姉妹)は 奥様が家を空ける間はいつも‘奥様と女中ごっこ’に興じていた。 旦那様は密告により投獄されるも、釈放の報。 その実、密告者であった女中達は…。 という事で物語はサスペンス風だが、 細かく描写されたのは女中たちの心情。 女中の生い立ちや社会背景は語られたのだろうか? 全く記憶にない。なぜなら半分以上寝てたから(苦笑)。 上の段落で書いたあらすじも合ってんだかどうだか。 だってもう延々と、山も谷もない、笑いもない、 筋から離れた装飾的セリフを繰り返されて、 どうして起きていられようか。 私を起こしてくれたのは、 深沢さん演ずる奥様を交えての場面のみ。 華やかで、己れの傲慢さに気付かない貴族然とした気品はさすが。 篠井さんは女中姉妹の内、妹。 ‘ごっこ’では奥様役で、ドレスを身に付ければ大変な美女。 しかし‘ごっこ’は毎日かしづく身分に飽いたストレス解消でしかなく、 「私こそが貴族にふさわしい」といえる程の気高さはない。 大谷さんは女中姉妹の内、姉。 美しい妹と奥様への愛を惜しまず、いいなり。 三人とも、それぞれの役所をきっちり演じていたけども、 なんたって話自体に魅力がない。主の性格も地位も語らず、 身分の違いを強く表すエピソードもないままで、 女中たちの心情に近寄るのは無理。 最後、女中としての枠を超えない慎ましい決着の付け方に、 姉妹の愚かさと悲愴感を感じ取るのが観方として正しいのだろう。 デカダンの退屈な所は視覚に頼って、 避けに避けた核心突かれたら死んじゃう所。 そこをドフファー!と笑える場面があれば楽しめたかもしれない。 緊張の一直線じゃ、睡眠という緩和を呼んでしまうよ。 PR ![]() ![]() 忍者ブログ | [PR]
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