![]() 更に、髪飾りを着ける時におだんごの位置が低いとも指摘を受けた。 頭頂部にまで上げるべし。 確認しておくべき事も基準を知らないから、 何がわかってないのか、わからない。 先生も生徒さんもフォローして下さるし、 書面の注意事項も頭に入れているけれど、 髪の事には触れられておらず、 こういった場合に備えて周りをしっかり見ておく必要があると、 本番前日に気付く。遅い。 稽古開始前、出演者全員が舞台に集合。 舞台監督さんから立ち位置の目安となる光や 照明の当たる範囲の認識、 装置への接触厳禁などの注意を受ける。 普段は完全に観る側の人間、「ほーほー」と神妙に聞く。 まずは第三部「コッペリア 第三幕」から。 「祈り」の衣装と髪飾りも着けて、袖で出番を待つ。 いや、待たない。 なんと、最初から出る事になっていた。聞いてないぞ! スワニルダとフランツの結婚を祝う村人の一人として、 お客様への「これから踊ります」的なご挨拶も兼ねた感じで、 出るのだ。 こんな直前に!?と卒倒しそうになりながらも、 スワニルダ役のM先生から「結婚祝いのお金を皆に見せるから、 少し前に出て来て、わぁ〜♪って演技してね。 お金にわぁ〜ってヘンな感じだけど」の指導に和む。 三部から稽古を始めた理由を飲み込ませる振付が終わり、 袖に引っ込む。 先生の踊りを見ながら出番を待っていると、 「祈り」で一緒に踊るTちゃんに中等科の子(小学校低学年)が 志村けんよろしく「いっちょめいっちょめ」と 腰をカクカクいわせてジャレていた。 私:こんな小さい子がドリフ好きって珍しいね Tちゃん:そぉ〜、○○ちゃんはドリフ好きなんだよね〜 いつまでも「いっちょめ」までで「わーお」に行き着かない もどかしさを感じつつも、 「私はカトちゃん好き」とか言う子もいたりして、 別の意味での将来も楽しみだ。 そしてドリフの強さに感動。 PR ![]() 本番ギリギリの3/27、29は中等科の生徒さんと合同で コーダの振付&練習をしたり、 高等科B(私の所属クラス)のレッスンに加わった後に トゥシューズを履いて発表会の踊りに入ったりと、 濃密な内容だった。 この2日で振付終わり。 4/3、舞台稽古。 会場は隣りの駅にあり、その駅から更に20分近く歩く場所にある。 参加する生徒さんは皆、家族に送迎してもらっているようだ。 私はもちろん自力だ。今回は父までもがタクシーを使えと言い出し、5000円を寄越した。 断っても「何かあるといけないから」と持たされた。 母は「ラッキーじゃん」。…そういう性格になりたいよ。 お金をもらうかは別として、普通はタクシー使うと思う。でもヤだ。 行き帰りで体力消耗して 肝心の舞台がグダグダになるだろう予測は出来る。 それでもお金を使わず独りで何とかしようと突っ張るのは、 恥ずかしいからだと思う。 定職就かず、実家出ず、嫁行かず、子を産まず… 自立出来てないのに趣味の教室通いを18年も続けて、 余裕のある事だ。 そんな風に自嘲し全てを恥に思うのは、実は保守的だからだね。 えー?マジで? などと、鬱々とした気分を自己分析の理性で 擬似バランスを取りつつ、会場到着。 生徒さん達の後に続いて楽屋へ。 普段のレッスン着に替えて手すりのある場所で足慣らし。 傾斜があって引っくり返りそう。傍にいた生徒さんと笑っていると、 舞台袖から、私の入室時から指導して下さっている M先生に声をかけられた。 そこにはバーが用意してあり、使うよう勧めて下さった。 この時に初めて、M先生も踊る事を知った。 いわば恩師との共演。 最初で最後だと思って参加を決めたので、とても嬉しい。 先生も私の参加を心から喜んで下さっている様子。 しかし、失態。 指摘されて知った‘大きめの靴下’の使い道。 舞台袖の一部と舞台には滑り止めにとリノリウムが塗られている。 そこ以外の、ワックスが塗られている楽屋や廊下では シューズの上から靴下を履いて歩かないと、 効果が薄れてしまうのだ。 その靴下を忘れてしまった。 仕方ないので、出番の度にトゥシューズを袖まで持って行って、 履き替える事にした。 ![]() オープニングで着る衣装は 金のブレードが斜めに入った白のチュチュ。 測ったサイズに近いものでは大きく、 ひと回り小さいものに落ち着いた。 おそるおそる鏡に映すと、ドリフコントの様相。 股間から白鳥の首が出てなくて不自然だ。 「祈り」の衣装は大人が踊るだけに、 濃いめサックスのボディ、胸元に宝石風の刺繍、 スカートはサックス+紫のチュール、 肩から伸びるヒラヒラは踊ると揺れて優雅。 鏡は見ずにおいた。 3月上旬。 オープニングとコーダの振付。本番ひと月前でもレッスンは数回。 1回聞いてすぐ踊るのが普通。変更に対応するのも普通。 その場では他の生徒さんを横目でチラ見出来る (先生と生徒さんの許可済み)が、 帰宅してメモろうにも、既に忘れている。 特にコーダにはどうしても覚えられない部分がある。 不安だ。 3/15。衣装を受け取り、片手運転で家に持ち帰る。 普通自動車免許所持も、うんてんこわい。 ゆえに移動は自転車のみ。雨は大敵。 晴れ女としての本領を発揮せねば。 100円ショップで防水のバッグを買ってもよいが、 恐らく今回の発表会でしか使わない。 たった105円だってケチる。 3/22、スタッフ下見。 家から少々遠い施設で行われた。自転車で行くのは厳しい。 両親に相談。 母の「タクシーを使え」とのアドバイスは無視し (金欠&対人恐怖症なめんな)、 長距離ドライバーである父の 「仕事の合間に送って行けると思うよ」に乗っからせてもらう。 でっかいトラックをスポーツ施設に横付け。かっこいい。 スタッフ下見は文字通り、スタッフ側の下見だろうか。 案内された先は武道の練習場。畳敷きのエリアがある。 衣装を着けるので、その着替えや、一部の生徒さんは 髪飾りを着けた頭部の撮影を行う。 同室内に板張りのエリアもあり、 そちらは会場の舞台と同じ大きさにテープで縁取られていた。 仮想舞台正面にはオーディションのように主宰の先生、 舞台監督さん、音響さんが横に並ぶ。 具体的に何が行われるのかサッパリわからぬまま、 オープニングからコーダまで約4時間、通し稽古の意識で参加。 この段階でもまだ振付は終わっていない。 ![]() BBSで「筆を折った」と宣言した体験記。やっぱり終わらせたい。 2は去年の9月にアップ。 3は昨年末のまとめ雑記に書いたものにして、今回は4。 1月〜2月。 おぼろげながらバーを覚え、アンシュヌマンにも慣れ、 課題の振付も固まり、バレエらしい雰囲気を作る 腕や背中の使い方などの細かい指導に移った。 トゥシューズを新しいものに換えた。新品はカッチカチである。 かかとが外れないよう足首周りにゴムを縫い付け、 リボンの長さを調整、立った時にアーチを作り易くする為、 底を曲げて柔らかくする。 家の中でも履いたりして、早く慣れさせないといけない。 ↑このくらいアーチが作れないと軸に乗れず、立てない。 アラベスクなど、軸足が真っ直ぐでないとカッコつかない技の時は 非常にみっともない事になる。 そして、みっともない状態が続いた。間に合うのか? 2/28、プログラム用の写真撮影が行われた。 この日は現ちゃんナイト2日目。欠席させていただいた。 注意事項を頭に叩き込み、近所のインスタントへ。 おだんごにした髪を壁に付け、あごを引いた状態で撮影したら 二重アゴに仕上がった。 仕事後にしか時間作れず疲れ顔だったのは残念だけど、 痩せてる生徒さん達の中で二重アゴってちょっと面白い。 3月。 衣装合わせ。 サイズを測った先生が驚く。特にウエストとヒップの大きさに。 このWとHの差が30cm近くある為に見た目にはわからないが、 バレリーナとしてはブーちゃんの枠に入るに違いない。 レッスン終了後、先生方が身長を高めの生徒さんから確認。 私も聞かれたが、「(160cm)無いです」に「ええー!」の反応。 他にも数人聞いてみるも、みな、見かけよりも2〜3cm低い。 「みんなスラッとしてるから大きく見えるんだね〜」の言葉に照れるも、 そう仰った先生は誰よりもスラッとしている。 ![]() 2010年3月25日(木)紀伊國屋サザンシアター 原作:川上弘美 脚本:鈴木哲也、マキノノゾミ 演出:マキノノゾミ 音楽:coba 振付:南流石 出演:沢田研二、富田靖子、田中隆三、松永玲子、すわ親治、他 あらすじ:恩師との恋。 軸はこれ↑だけの話ながら互いの心の動きを繊細に描いた、 観終わった後に恋愛に対して前向きになろうと思える 優しい作品だった。 母には「ジュリーが○○話はダメだよ」(一応伏字) と言われてしまったけれど、自分と相手の気持ち以外の、 対外的なものに縛られ、諦め、後悔するよりも、 勇ましく二人で前進する方が はるかに豊かさと清々しさを得られるだろう。 沢田さんの舞台は毎年恒例となっている。 演出は『天国を見た男』で久世光彦さんから マキノノゾミさんへと代わったが、音楽と振付は同じ。 相手役として名のある役者をひとり (過去には志村けんさんや伊藤蘭さん)、 コメディエンヌをひとり、配置する。 今回はそれぞれ、富田靖子さんと松永玲子さん。 富田さんは時々舞台役者ならではの ハリキリ演技が少し恥ずかしかった。 NHKの朝ドラを真似たネタを披露する お笑いコンビ「アロハ」を思い出した。 しかし役柄的にもあれが妥当なんだろう。 松永さんは独特の鋭さが感じられて良かった。 狂気じみた行動を経てこそ、 センセイを大きく揺るがすあのセリフが生きる。 毎回参加のすわ親治さん (ドリフの人形劇で三蔵法師の乗る馬を担当)は ギター弾き語りの時事ネタを披露。これが一番ウケたかも。 音楽劇だけに、沢田さんが老境に差し掛かったセンセイのまま 歌を歌い出すのだが、これが笑っちゃうくらい パァッと華が咲いたように空気が変わる。 その色気は一体なんなのだ。 教え子を抱き締めながら歌うシーンを 母が「耳元で歌われて…いいなあ!!!」と心底羨ましがっていた。 私も同感だが、そのシーン、 まだ芝居上ためらいが残る場だったからか、 歌の邪魔になると腹に負担をかけないようにしたのか、 少し腰が引けていた。 ま、演技での事として、 センセイの純情を感じる素敵な場面であった。 センセイと教え子の行く先。 実は柄本明さんと小泉今日子さんが演じた映画版も観てて わかっちゃいたんだけども、ウルウル来てしまった。 いい話。ホントいい話。 沢田研二 ![]() ![]() 忍者ブログ | [PR]
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