![]() 『さまよう刃』 娘を殺された男の復讐譚を周辺人物の心情や 現在の若年層が持つ自己中心性にも触れて冷静に描き、 単純な勧善懲悪で済まない 複雑化した人間社会を真正面から見ているようだった。 ラストは犯人が憎過ぎて甘さや美しさを感じたけれど、 男が分別を保っていた証明だから、納得せねばだな。 『蛇にピアス』 痛みでしか生きている実感を得られない女と、 彼女を巡る2人の男の物語。 ピアッシングや刺青、SM志向のセックス、 路上での暴力沙汰など、一般には無縁と思われがちでも、 居酒屋や焼肉店で普通に飲食している場面を挿し込む事で 壁一枚も隔てない世界であると表現する。 それが良くも悪くも、凡庸な少女マンガ風物語 (女1人を男2人が熱烈に愛す。これだけで十分陳腐)の 薄っぺらさをも浮き出させていた。 未読だが、役者の熱演と優れた演出で語るに足らない原作と推測。 妙に豪華な脇役陣に首をかしげた。 番組表で調べたら監督が蜷川幸雄さんだった。 なんちゅうもったいない事を。 PR ![]() イアン・マッカロク。 たぶん、このPVが起爆剤。 Echo&The Bunnymen『Seven Seas』 1:45過ぎたあたりでブッ倒れされたに違いない。 80年代はUK音楽シーンが流入していて、 イアンを使った作家は2~3人しか浮かばないけど(笑)、 まるで似顔絵だった。 表紙にドドーン!と使ってるのを見た時は半ば呆れた。 モブでなら全然引っかからないけど、 知ってる人間からしたら容れ物に使われてるように思えて。 そんな印象も残すエコバニだけども、音楽の方は 硬質ながら怠惰で皮肉屋な雰囲気のままポップという 難しいスタンスを築いていて、今でもたまに聴く。 Echo&The Bunnymen『Bedbugs and ballyhoo』 アルバムに収録されてるアレンジの方が好きなのは プロデュースしたレイ・マンザレクの色が強いから。 あの可愛いオルガンの音をカットしてしまうなんて。 そういえば歌詞が難解な事でも有名だった。 意味が通らなくても音に合う言葉を選んだような詞。 アートワークも優れてた。 このアルバムはアントン・コービンが全面的に。 (余談) 今後、曲単位での配信がメインになると 音、写真、絵、映像といった才能を集めた作品が 世に出にくくなるかもしれない。 その捌け口がMAD動画などに繋がってるのだとしたら、 編集家という職業が生まれたり? 著作権管理大変そ。 ![]() 母に「どうやって孤独を乗り越えたの?」と 唐突に訊かれた。 独居生活が寂しくて仕方ないらしい。 飼い犬がいても、毎日監視干渉してくるおっさんがいても、 孤独感に囚われ悩んでいると。 父が入院していた数ヶ月、擬似ひとり暮らしになった。 その間は一日も早い退院を願いつつも 得も言われぬ開放感に浸っていた。 そんな私に「寂しくなかった?」とも訊いた。 母とは育った環境や親との関係が違う事や性格の違い、 「自分の思い通りにならないのが当たり前。諦める」的な 話もしたけど、弱ってる人には難しい処理だわね。 っていうか、 いつの間に孤独感を克服した事になってるのだ。 実質完全な孤独に陥った経験はまだ無いぞ。 どう答えたら良かったのかなあ?と考えていた今日、 録画しておいた『ごきげんよう』を見てたら、 磯野貴理さんがとあるサイコロの目により、鬱憤として 「みんなは一人の時どうしてるのー!?」を発表。 クリスマスも年越しも元旦も一人で過ごすのが耐えられず、 積極的に仕事を入れたり、打ち上げに誘ってもらうなど 周囲の人々に助けられた、という話。 MCの小堺一機さんは 「一人でだって楽しく暮らしてる人いっぱいいるよ?」と 答えていたが、そういう事だと思う。 みなさん基本ひとり。 寂しいとか孤独だとか言う人の周囲が一層寂しい事になるのは、 一方的に寄りかかられる重さを 想像されてしまうからじゃないだろうか。 私が時々「死んじゃいたい」とか言うのは 体外に出してストレスを軽くする為で、 「生きる希望をちょうだい」とまでは思ってないけれど、 受け取る側にしたら勘弁して欲しい発言。 言葉を選ばねば。 ストレスで倒れそうになっても愚痴や弱音を話せる相手がいない、 そんな人達にWeb上の日記やTwitter、掲示板といった 個人発信のツールが役立っている。 それでも関わりを失った時、どんな事態が発生するかは 数々の事例で学ばないといけない。 かまってちゃん発言の先にはSOSがブラ下がっている。 ![]() INXS『Guns in the sky(Live)』 この曲のPVは何万回観ただろう。 むちゃむちゃカッコイイ。 しかし権利関係によりYouTubeでは音無し。 なので、タルボを弾いているだけで「珍しい」と 言ってしまうヒラサワ好きならではのライブ映像をチョイス。 やはり破壊的な音と弾き方が似合う型である。 ----ここから己が下半身のツボ話---- INXSに、というかボーカルのマイケル・ハッチェンスに 猛烈にやられた時期があった。 来日公演は当然のこと、 単館上映だった映画『DOGS IN SPACE』まで観に行った。 タイトルで宇宙犬ライカを想像するもダークな青春映画で、 本国オーストラリアでは アイドルポジションにいる人なのかと意外に思ったが、 そんな出来よりもキスシーンでの横顔が素敵で、 幼い胸をわしづかみにされた。 真っ直ぐな体型(←どうやらこれがツボ)に合うモードな衣装や 一つにまとめた髪を赤いバラで飾るなど、 色気の塊のような存在。 『NEED YOU TONIGHT』PV冒頭の手だけでもポヤ~ンとする。 未だに私のセックスシンボル。 アルバム『KICK』の時期限定で。 ![]() ![]() ![]() 忍者ブログ | [PR]
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