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『叫』
観る前に読んだレビューには
環境汚染問題も訴えてるんじゃないかとあった。
そういう社会派な見方はさておき、ホラー映画として楽しんだ。
黒沢清監督作品というブランドへの礼儀として
無理に掘り下げて高尚な場所に置かれるようなものではなく、
役者がみなスター俳優である事もあって、
エンタテイメント性があった。

謎は解かれたのに訪れない終焉。
この世に身勝手さを持たない人間などいるのだろうか。
(↑これが環境問題に繋がる?)

『酒井家のしあわせ』
家族愛に恵まれなかった人は
ユースケ・サンタマリアさんの役に共感すると思う。
迷惑をかけてもいい存在を持った事がないから、
自分ひとりで何でも決めてしまうんだよね。
対人関係の成長は依存→自立→(相互)依存。
一人のしあわせもいいけどね。

『大日本人』
作品自体がボケ。ツッコミを入れながら楽しんだが、
少々テンポが遅く、寝てしまいそうだった。
オッサン、親父、タレント、正義の味方…
何においても視線が陰からのもので
時折意地悪、そしてニヒリスティック。
明るい場所で生きようとしてる人達は笑えないかもしれない。
エンドロールまでコントを続ける所は客を飽きさせない親切心、
あるいは笑いへの貪欲さを感じた。

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244ENDLI-x
『Kurikaesu 春』
少しだけ観たPVは
逆輸入ジャパニメーションみたいだった。何狙い?
曲の方はポップで聴きやすい。
カップリングの「プロポーズダンシング」はタイトルに反してバラード、
「Let's try to love !」は最近流行のボーカルエフェクトを使うも、
EW&Fのようなアフロディスコが頭に浮かんでくるのが楽しい。

『I AND 愛』
テクノを本格的に導入という事で、期待して聴いた。
1〜4曲目まで打ち込み多用。
クラブ仕様ではなく、歌ものエレクトロという感じ。
4曲目のエンディングでホーン隊とギターを入れ、
ジミヘン風ギターでファンクをやるスタイル
(プリンスに近いけど変態が不足)の5曲目への違和感を失くして
流れを邪魔しないようにし、
以降も自然に生音を使った曲を続けて行く。
雰囲気あるバラードの後にブレイクが入り、
9曲目サンカクの歌うダサいディスコソングへ。
この展開は確実にズッコケ狙いだ。
10曲目は生音と電子音の比率等しく、
ノイズっぽくエフェクト処理したファンク。
その後も電子音との融合を目指した曲が続いたが、
12曲目は生メインでやった方が良かった。
かっこいいラテンが、もったいない。
13曲目はバランス良くて、ライブで盛り上がりそう。
と思ったら14曲目はライブで映える曲だ。
思惑が素直でいいな、エンドリさんは。
じっくり聴かせる15曲目で締め。最後の訴えは誰のものかな?

ジャニーズ商法とでもいうのか、アルバムは特典の違う二種で発売。
私はライブDVDの方を買った(もう一方はライブCD)。
これだけをパッケージにして売ってもいいくらいの仕上がりで、
両方買ったとしても「ズルイ!」と思わせない所がすごい。
って、ライブCDの方を聴いてないからアレだけども。

実際会場でもステージ上のメンバーがとにかく楽しそうで、
とてもいい雰囲気で進行していた。
が、30分以上インプロやられたら置いてけぼり食ってしまう。
それぞれのソロを32小節くらいやるんだよ。
数えてないからわからないけど、それくらい長い。
延々続くソロ回しに「あーあー、凄いのはわかったよ」。
ミニマルみたいにトランス状態に持ち込めるでもなし、
楽しく演奏してる姿に私も楽しくなる♪と思わせるにはまだまだ。
歌声が好きだから物足りなく感じるのかもしれないけどね。

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平沢進『PHONON 2550 LIVE』
期待していたハルディン大合唱が差し替えられていて残念。
それでもライブ用にアレンジされた曲の収録は嬉しい。
インタラ『SIM CITY』から発展させて完全版となった(?)
「サイボーグ」THAI ver.とか、鉄の音がシビれる
「死のない男」Hi-Res ver.(アコギは弾いてない)とか、
生で聴く高音(歌声)が気持ちよかった「万象の奇夜」とか、
ピアノ導入の「ハルディン・ホテル」とか。

およそライブ録音とは思えないようなクリアさ
(鎮西さんの魔法か?/笑)に不満はない。
けれど、ステージ上の怪しい道具の数々を操る平沢さんの姿を
DVD作品でもって楽しみたかったな。

インタラでは変なしきたり
(人体が視界・スクリーンを遮って邪魔だと、着席が基本に。
これは客が騒がないと進行しないインタラに込めた
平沢さんの期待から大きく外れるように思う。
座ったら落ち着いちゃうからね/笑。
また、映像や物語にも力を入れた結果か、
じっくり楽しむ展開となった現状を皮肉に思わざるを得ない)
が出来てしまい、
ノリノリの曲なのに踊れない不完全燃焼を抱いていたけれど、
スタンディング&何も考えず楽曲だけを楽しむ普通のライブは、
やはりいい。
とはいえインタラがつまらない訳ではないので、
平行させた活動を希望。

Perfume『GAME』
掟ポルシェさんが大プッシュしていて
試聴したら本当に良くて、気に留めていた。
その頃から今のような状況を予想出来ていたかといえば、No。
武道館2daysだって。すごいね。

思い出すのはストロベリー・スウィッチブレイド。
ファッションはパンクじゃないけれど、
打ち込み音楽&パフォーマーを
完全に人形化させて売り出す感じが似てる。
タイトルが『GAME』ってのも大人の悪い感じが出てる気がする。
と思うのは私が悪い人だからか?(笑)

男性と対等であろうとして男性化する女性ミュージシャン
(ロック系に多い)には惹かれず、
モーニング娘。のような奴隷化尽くし型にも共感出来ない。
女性ボーカルにバックダンサーが付くスタイルは見飽きた。
そこに女性の持つ可愛らしさ、懸命さを押し出したPerfumeは
良いスキ突いてくれた。

初回特典DVD見たら
ライブのオープニングで既にあ〜ちゃんが泣きそうになってた。
そういう感激屋さん、好き。

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4-D mode1『Rekonnekted』
4-Dを好きになったきっかけはライブ(17年前!)。
当時の編成はベース、ギター、ドラムで、サッとやってサッと帰る、
恐ろしくカッコイイIron Beat Manifestにコロリと行ってしまった。
初期メンバーでのリリースやライブが続く現在も
鉄骨ビートは健在だけれども、インダストリアル度と音圧の点で、
すこ〜し物足りなく感じるのが正直なところ。
でもmode-1なのだから、と切り替え。

昨今は日本語詞もキチンと歌えてないボーカリストが多過ぎ。
声質が良い訳でもないクセに(毒)。
だからという事でもないけど、
小西さんの歌は英詞も聞き取れて良い。
全曲、楽しくアイデア交わして作り上げたような印象。
特に気に入った曲は
「My Sweet Lo」:
あと少し小西さんが気取って歌ったらD・シルヴィアン(笑)。
「My Neighbor Upstairs」:
このボディビート!平沢さん呼んでくれて嬉しい。
「僕の工場君のコンビニ」:
人間が機械的な動作を行う時の低テンション→トランス。
「Zoology」:ステキな哲学。

『Back Tracks 1981-1984』(SHOP MECANO購入特典)
上掲アルバムのおまけCD。収録時間約35分。
中身はやはり20年以上前のものという感じだけれども、
聴いてると知的レベルが上がるようなアカデミックさは
現在にも通じてる。
1曲目、DAF風の鉄骨音とベースにニヤリ。

・PEVO『HARD CORE PEVO』
DEVO+P-MODEL=PEVO。
平沢さんがヴォルキス・プロラデュークとして参加した『PEVO』以降、
新作を出していたとは知らなんだ。さすがSHOP MECANO。
他に映像ものも置かれてて迷うも、お財布と相談して
まずはハードコア(硬核。当然『HARD CORE DEVO』が由来)に
触れるべし。
む〜、お見事!!!
これほど両者の音楽をわかりきってミックス出来る宇宙人、
いないんじゃないの?
歌モノは完全に地球外言語
(中国語、韓国語、タイ語が混ざったような感じ)で、
ここまで突き抜けてくれると
何歌ってるかサッパリでもカッコイイし爽快。
ハ〜、かっこいい。すげーかっこいい。
ステージ衣装はまだ作業服なのかなあ。そういうのも好きだなあ。
また追っかける対象が増えてしまった(笑)。

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2008年4月22日(火)シアターコクーン
原作:マクシム・ゴーリキー 
上演台本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:段田安則、江口洋介、荻野目慶子、緒川たまき、
   大森博史、大鷹明良、マギー、皆川猿時、三上市朗、
   松永玲子、池谷のぶえ、黒田大輔、富川一人、
   あさひ7オユキ、大河内浩、犬山イヌコ、若松武史、山崎一
音楽:朝比奈尚行、パスカルズ

開演前BGMに戸川純「夜が明けて」(アレンジ:平沢進)が流れて「おー」と呟く。
他も戦後、昭和を思わせる曲が流れる。

パンフレットの表紙をしりあがり寿さんが担当。どん底感アップ。
とはいえ、原作読んで無いし黒澤明監督の『どん底』も観てない。
いかなどん底だろうか。究極笑うしかない域だろうか。

夢も希望も無く人生を諦めた人々が暮らす木賃宿に現れた老人は
精神面を豊かにさせ、原作にない役柄である衛生局の男は
線引きされた存在(第三者)を意識させ、緊張感をもたらす。
打ちひしがれる住民を慰めるかのように、
または心象を表すかのように度々現れる楽団。
そして絶望的なカタストロフ。
重い。

カーテンコールでは楽団と演者が共に「カチューシャ」を演奏。
演者の中には管楽器(なんだろ?遠くて見えなかった)で
加わってる方もいたりして、音楽の力も感じる作品だった。

少し面喰ったのは大きな山場での、
緒川さんが演じたナターシャの感情的爆発。
聡明な女性だと思っていたのに、
思い込みの激しい理不尽な暴発に唖然、
舞台に距離を感じてしまった。
これはそれまでの被虐があまり描かれていなかったから
かもしれない。

観賞後は何ともいえない気持ちになった。
「貧しくとも強く生きる!」みたいな嘘臭さは無く、
いたずらに希望の光を見せるような偽善も無く、
何でも自己責任という言葉で片付ける現代らしい冷たさに
助け合い精神を呼び戻そうとするような勘違いメッセージも無くて、
とてもスマート。
私みたいなもんがこんな知的な舞台観たなんて、
恥ずかしくなっちゃうじゃないの。
だから、
段田さんの美声の使い方
(普通は感心させて終わるが、そうはしない)や、
マギーさん、皆川さん、犬山さんの絶妙なやり取り、
全体通してのロジカルセンスなど、
笑った所を思い出しながら帰った。
ハラショー。

(この日の公演はWOWOWが撮影)

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