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INTERACTIVE LIVE SHOW 2006 『Live 白虎野』

(細かな設定説明などは省略させていただきますm(_ _)m)

初日の大阪に宅オで参加。
生中継映像はソフトの設定が上手く行かなかったか、
サーバダウンだったかで見られず。
公演中は多言語で繰り出される二者択一に
テキトーに答え続ける私、
企画上「考える人」とされながらも
「考えずの人」として時間を過ごした。
終演後、位相差電子望遠鏡(=中継カメラ)より
「ヒラサワ、有り得ぬ海辺にて力尽きる」との
エンディングを知る。
これはバッドエンディングなんだろうなあ。

5月3日(水・祝)日本青年館 大ホール 1階F列21番
日本青年館は小学生の時に
三波伸介さん司会のバラエティ番組の観覧と、
高校生の頃に人間椅子のライブに来て以来。
懐かしみながら入場の列に並ぶ。
FC優先予約チケット購入特典の
ロータス型アロマキャンドル
(蟻のシール付き。芸が細かい!/笑)を受け取った後、
種類豊富なライブグッズを物色。
分岐マニアキャミソールとピンバッヂを購入。

席は前から6列目のセンター寄りで視界良好。
プロローグを読み、ワクワクで開演を待つ。
今回は経済と宗教が支配する世界を設けたようだ。
ステージは両端にアティドゥーモニターと
イナ・アティドゥーモニター、
センターにはグラビトン、ノートPC、シンセ、
ICE-9(ギター)が置かれ、
青い光を放つチューブ(開演前は消灯)が周囲を伝っている。
暗転開演。

『白虎野』ジャケデザインと同じ模様の円盤(石の質感)を
一匹の蟻がアゴでくわえて運んでいる。
満天の星空の下、大樹の元まで行き円盤を置く。
すると一枚、葉が落ちて来る。
本来なら赤色の中心部に落ちるらしく、
そこから外れた葉に首をかしげる蟻。
空を見上げると星々がグルリと位置を変えた。
そしてスクリーンに「西が無い…」。

お話の途中ですがここで概要を。
Σ星を支配する枯れシダ教は害悪とされるタブーを
全て西に捨て、無かった事にしている。
その西の存在を主張する平沢さんには、
枯れシダの慈悲によるロボトミー手術を受けるか、死か、
他者の目くらましに惑わされない
白虎野に行く道、が用意されていた。
それが今回のエンディング3種。
大阪は死だった。さて、東京一日目の今日は?

話を導く分岐マニア、Σ12登場。
早速、物語上の平沢さんと観客との間に道を作る為、
人の叫び声を電磁波に換え放電する植物
オーロラン(卵を抱く竜のような姿。首は三叉)に向けて
「SHOUT!!!」するよう指示を出す。
大きな歓声を食い十分に帯電、オーロラ発生。

1.オーロラ 2
スクリーンを覆うオーロラの後ろに平沢さん登場。
帯電中のBGMからの流れがまたゾクゾクするような
仕上がりで、なんてカッコイイ…。
2.ソーラ・レイ 2
オーロラ発生に太陽は不可欠。
スクリーンを宅オが降らせるアティドゥー球が横切り、
「オオーッ」の声。
3.生まれなかった都市
4.Sim City 2
5.パレード
6.記憶から来た男
ここでサトケンさんのボーナスポイント。
約半年後、平沢さんに普通のソロ・ライブを行わせると約束。
万歳!

7.水脈
8.祖父なる風
9.CODE-COSTARICA
コスタリカは軍隊を持たず、
子供が電話一本で大統領を相手取り訴訟を起こせる国だそうな。
「へぇ~」と感心。
10.確率の丘
11.白虎
スクリーンに「考える人」によるJAVAアプレットを使った
セッションが映し出される。
弦楽器の音が多いかな?ポンポンポロロンと、穏やかな印象。
見た目は平面オルゴール。

12.SWITCHED-ON LOTUS
この曲が来たなら
いい方向に行ってるんじゃないか?と思ったら、
既知警察に追い着かれ、
「ここに来るまでに何を見たか」との問いに
正直に答えた平沢さんは警棒でボコられてしまう。
ここで脳機能改善処置(=ロボトミー)を受ける事になるが、
突然現れた魔神が炎で追っ手を焼き尽くす。
13.Σ星のシダ
Σ星の真の姿が現れる。荒涼の地に
「シダなど生えぬ也。
生えぬシダなど枯れぬ也!」のメッセージ。
してやったりだ。
「有り得ぬ海辺」こと、ベトナム
「ホワイト・タイガー・フィールド油田」に到着した平沢さんは
Σ12に油田の中心で燃える炎の中に飛ぶよう指示される。
どうやって?
あっ、飛んだ!

14.白虎野
なんで飛べるんだよ(笑)。
あっ、いつもロケット型のリュック背負ってるもんね
(そんなバカな)。
白虎野で待っていたΣ12に、
『SIM CITY TOUR』での爆発によって散らばった
‘ヒラサワ’の内のひとりであると打ち明けられる。
平沢さんもそのひとりであると。
一人Σ星に飛ばされた、やはり正直なヒラサワであるΣ12は
ロボトミー手術を受けさせられ、無残な姿に。
この姿がも~、爆笑もの。
これは断固「西はある!」と主張せねばなるまい。

再びオープニングのシーン。葉は円盤の正しい位置に落ちた。
という訳で、油田に飛び込んだ結果、
枯れシダ教が消滅したΣ星は健全なアティドゥーを取り戻した。
って事になるのか?(よくわかってません)

「ヒラサワー!」などとアンコールの声響く中、
現れた平沢さんは「私を呼び捨てにしないように。
さて、グッドエンディングが出てしまったぞ」と言い、
アンコールに応えればせっかくの雰囲気を壊すと拒否。
「起立!回れ右!解散!」で終了。

ん~、唐突な魔神の出現や
平沢さんの飛行能力にズッコケて感動出来なかったな。
でも美しいCG映像と轟音が気持ち良かったからオッケー♪

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『反射の集いは氷の9』
9月19日(月・祝)南青山MANDA-LA
昼の部

晴天ナリ。
初めて行く会場に迷わないかと不安になりながらも
日傘差して13時過ぎに無事到着。
チケは先着順だったようで、店前には沢山のお客さん。
限定120名のイベント、いただいた整理番号は107。
良い席は諦める。
ほどなく開場し、カウンターでウーロン茶を注文、
既にテーブル席満席、
スタッフに促されたのはステージ向かって右側アンプ前。
こんな近距離で観るのは初でリラックス出来ないけど、
贅沢言わずに大人しく。

開演予定は14時。ウーロン茶飲みながら、
ご同行いただいたしの!!!!!さんとお話しながら待つ。
目の前のアンプには‘TALBO SOUND'と入っている。
テーブルないから代わりに
グラス置かせてもらおうかと思ったけどさすがに遠慮。
…普通置こうとしないか。すみません、無礼者で。
BGMはレストランでかかってそうな当たり障りのない曲。

イベントスタート。
ケイオスユニオンの平野さんが正装(黒のドレス)でご挨拶。
司会役を担うには力量不足と、
早々にヘルプの意味も兼ねてメカノさんを呼ぶ。
「質問すればいいんですね。
詰問すればいいんですねっ?」と楽しそうに言うが、
私は「チッ、そんな事言ったら身構えるじゃないか」と心配に。
登場した平沢さんの表情は…ホラ、やっぱり(※)。
挨拶も「こんばんわ」って、昼の部ですから。
※DVD収録を意識して、おっかなくしていた模様。
(以下、記憶違いもあるかと思いますが、どうかお許しを)

・『ICE-9』に関した話
(アルバム作成動機)
TALBOを作っていた東海楽器は潰れてしまったが、
老朽化により、他社に依頼して新調せざるを得ない。
前作のPHOTONはフェルナンデス社に注文、
しかし今作のICE-9はネットで偶然見つけたもの。
製作は「TALBO SECRET FACTORY」で、
数種・デザインある中、金属のボディである事、
数多く生産していない事、最後の1本という偶然性も鑑みて
「逸脱している」と購入を決めた。
ギター界で逸脱しているTALBOの中でも
一段と逸脱しているその存在感に
「少し興奮しました」。

(ギターにICE-9と名付けた訳)
他のギタリストのように‘俺の伴侶だ’とか‘恋人だ’とか、
擬人化させたい訳ではない。
製品名がないから付けただけ。

(ICE-9とは?)
カート・ヴォネガットJr.の『猫のゆりかご』に出て来る、
常温で氷になる物質の名。
地球で人が飲むと凍ってしまう。
海に一滴落ちたら地球の三分の二が凍る。

・ギターの話
(数ある楽器の中でギターを選んだ理由)
発売当時は不良の代名詞のような存在で、逸脱していた。
それまでは木で出来たウォームな楽器だったが、
ボディが薄くなり、車のように塗装され、
針金が張られて、レバーが付いている。
メカノさん(以下M):それは何歳位で…?
平沢さん(以下H):小学4年生です。

(演奏スタイルを
「ロバート・フリップのカット&ペースト」と自ら公言した件)
ギターは構造上、演奏パターンが決まってしまう楽器。
その中で一番自分の感性に合っていたのがR・フリップだった。
彼の奏法を真似る人間は多いが、その誰もが失敗している。
H:コピーではありません。
テクニックはあちら(=R・フリップ)が数段上です。
しかし私はR・フリップの骨子を発見しました。
M:それはどんなものですか?
H:教えません(きっぱり)。


・「ギターは熱い、ウォームな演奏を求められますが、
冷たくて何が悪い」
・「(姿勢として)ステージに立ったなら、
右足を出したら次は左足といった歩行ではなく、
バカ歩きをします」
(わ、モンティ・パイソン!と色めいたが、
メカノさんはスルー…)
・作曲で使うのは「キーボードです」
・今回のようなギターメインの楽曲制作・演奏は
「二度とやりません。一生の不覚です」

「そろそろここで」と平野さんが
ン十年前に平沢さんがプロデュースを担当したという、
Shampooの折茂昌美さんを呼び込む。
手に杖を持ち、全身黒の、
サイバーパンクなイメージの衣装で登場した折茂さんは
髪をワハハ本舗の梅垣さんのように
羽根飾りでボリュームアップ。
横の平沢さんは「すごい、圧迫感が…(笑)」。
誰よりも派手。
ここでやっと和んだか、平沢さんが笑顔で折茂さんに
「お久しぶり!」と軽く手を上げ元気良くご挨拶。

トークのお題は現在のミュージックシーン。
が、誰も口を開けない(笑)。
仕方なくCD屋さんであるメカノさんに振ると、
新譜リストを見ても70年代の再リリースばかりで、
入荷も数枚に留まる有様との事。
平沢さんは「タイの話で申し訳ないんですが」と、
あちらで流行っている‘スティン’の話を披露。
タイはジャンル分けがいい加減で、
洋楽といえばスティングという事になっており、
若者受けする洋楽風の音楽
(シンセのプリセット音をそのまま使用、
乗ってるメロディは民謡)を
まとめてスティンと呼んでいるそう。

洋楽=スティングという点が可笑しい。
タイはネタの宝庫、もうちょっと行けそうだったけど、
時間も多いに押していた為、惜しまれながらトーク終了。
30分程、折茂さんの占いタイムを狭み、セッティングを終え、
さあ、ICE-9ライブだ。

set list
1. Nice Nice Very Nice 2.肺いっぱいの金属
3.ユーラシア21℃ 4.廃墟の水溜り 5.カプセルを開けますか?

平沢さんの衣装は黒。
化学繊維っぽい、光沢のあるジャケットに
センタープレスのパンツ、ステッチの入った靴と、
毎度の如くに地味ジェントルメン。
ステージにはギター(ICE-9の他にPHOTONも用意。保険?)と
エフェクター。
生演奏はギターだけだが、その分弾きっぱなしだ。

1曲目は「Nice Nice Very Nice」。
氷山の崩れる音が入ってて、「氷が溶ける…ICE-9の還元…」
私のロマンチック思考が発動して早くも悶々として来た(笑)。
続く曲にもそれぞれ、勝手にドラマを感じてウットリ。

最後の曲「カプセルを開けますか?」ではピックを縦にして、
弦を押さえてる位置の近くで弾くもんだから、
切れるんじゃないかとドキドキ。

目の前にあるアンプから一番に伝わるのは振動で、
直接聞こえる弦の音の方が大きかった瞬間もあったりして体感。
センターで聞けた人は気持ち良かったろうな~。
や、人によっては神経に障る音かもしれないけど、
すんごい痺れた♪
空間を支配する音楽、たまりません。

「あ~、もうこのまま死んでしまいたい」位の
気持ち(笑/感動し過ぎ)で階段を昇り、
小さな物販スペースで貧しくて買えなかった『ICE-9』を購入。
ライブだからカッコ良く感じたんじゃないか?と疑いながらも、
改めて聴いたらCDはCDで素敵じゃないの。
封印上等!
凍結させていただきますm(_ _)m

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『トーキョービストロン』
11月13日(土)全労済ホール/スペース・ゼロ 整理番号255

set list
1.二重展望3.4 2.SPEED TUBE 3.パラ・ユニフス
4.アンチ・ビストロン 5.Dustoidよ歩行は快適か?
6.Big Brother 7.巡航プシクラオン 8.崇めよ我はTVなり
9.ビストロン 10.CHEVRON 11.アンチモネシア
12.Space hook 13.暗黒πドゥアイ 14.Solid air
encore 論理空軍、ENOLA、フ・ル・へッ・へッ・へッ

最終日。チケットはソールドアウト。
入場は開演の30分前くらい。
9日と同じく金属製核Pシールをいただくが、
意味無く「?何これ?」な顔をして
スタッフに説明してもらう女優な私。
場内は男性率が高く、何とか上半身だけでもと頑張るが、
視界は期待出来ないだろう。音だけでも楽しみたい所。

出囃子(「二重展望3」)、お扇子ハタハタの登場は同じ。
「何の曲から始まるだろう?」とワクワクしてたら
「SPEED TUBE」!
心の中でギャー!と嬉しい悲鳴を上げる。
そんな歓喜をよそにイヤガラセの如く、
曲中一番の聴かせ所(♪ハリーアップと呼び合え)に
両隣の男性がへったくそな歌を被せやがった。
以降、「だから、いいとこで被せんなよ!」と耳に手を当てて
前のスピーカーの音を拾おうとするが虚しく、
ず~っとず~っと不愉快なまま
時間を過ごす事になってしまった。
視界は確保出来ても折角の美声を邪魔されて、
移動したかったけどコミコミで出来ないし。
新曲は黙ってくれるだろうと思ったら
「暗黒πドゥアイ」でも歌いやがった。
もう…(嘆)。

去り際に「ごきげんよう」。MCはこの一言のみ。

アンコールは通称「フルへ」。
手拍子を合わせられる人が少ない。
ファンの入れ替わりを如実に感じる。
ここでも隣の男性は歌う。平沢さんの歌聴きたくないの?

床を踏み鳴らすしつこいコールに平沢さん登場。
新人だから持ち曲が少ないと笑いを取る。
「皆さんを殺伐とした世界に帰すのは忍びないのですが
…解散!」。

それにしてもギターテクニック凄い。
ご本人はイヤイヤかもしれないけど(笑)、
楽しませて下さって感謝感謝です。

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『トーキョービストロン』
11月9日(火)全労災ホール/スペース・ゼロ 7列19番

set list
1.二重展望3.2 2.ENOLA 3.アンチ・ビストロン
4.巡航プシクラオン 5.崇めよ我はTVなり
6.Dustoidよ歩行は快適か? 7.LAYER GREEN
8.CHEVRON 9.アンチモネシア 10.ビストロン
11.Space hook 12.Big Brother 13.パラ・ユニフス
14.論理空軍 15.暗黒πドゥアイ 16.Solid air
encore Black in White

芝居でしか行った事がないスペース・ゼロ。
音響はどんな按配だろうか。
入場時にFC特典の核Pシンボル入りの金属製シールをいただき、
物販で1stアルバムを購入。

今日は指定席。一段上になる列で見易い。
BGMは和琴と長唄。
舞台には左手から新品のICE-9
(黒と銀が合わさった色合い=クロームのピカピカなギター)、
グラビトン、シンセ2台、そして存在感たっぷりの培養炉。

培養炉は、てっぺんに開いた黒扇子を2本合わせた
円状のもの(アルバム盤面参照)が乗り、
中心にはアシュオンが入っているらしき
円筒形の容器、脇からはアームが伸び、
その先に円盤状の何か(半透明の液体が半分ほど入っている)、
土台は楕円形で、変色するライトが中央にひとつあり、
周囲には光るチューブが数本走って、なんともSFちっく。

開演。ブビーッ!と警告音が鳴り、
培養炉のアームが意味ありげに動く。
ワクワクする出囃子が終わると、
平沢さんが黒扇子を持って登場。
自分を扇ぎながら「フン、どうだ」な決め顔。
少し笑えるのはなぜ。
衣装は黒。首元に核Pロゴデザインのプレート。

しばらくは声が出ず心配だったが、徐々に調子を取り戻し、
ギターは「これでもか!」な可愛がりぶりが良かった。
途中、培養炉に付いているメガホン状の筒を使い、
レバーを引きながら声を入れたりして、
うっすらバカバカしい風景。
カッコイイんだか悪いんだか、この紙一重がいい。

アルバム未聴ゆえよくわからないけど、
緊張感溢れる曲が多いように思う。
演奏された過去P曲は解凍後から培養前のものばかり。
リアレンジも無くて少し寂し…
と思ったらラストで「Solid air」!
「これは座っていられようか!」と、
ず~っと着席したまま揺れていたストレス(笑)を
微かに解消。

アンコールを終えてやっと「ありがとう」の一言。
MC無しで終始無表情。おっかないP-MODELだった。
いや、新人の核P-MODELだっけ。妙に達者だ。

振り返ると会場後方に音響技師の鎮西さんがいらっしゃる。
ならばたぶんいい音だ。
久しぶりの生ヒラサワに憑き物が落ちたような感覚で帰宅。
最終日が楽しみだ。

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『斉藤環meets平沢進 ~ひきこもりmeetsミュージック~』
12月9日(火)新宿ロフトプラスワン 整理番号141

開場前:
人通りの激しい会場前では列を作れない為、
近くの小さな公園でお客を待たせている。
整理番号順に、公園入り口に顔を向けて並んでいる。
その前を通るのは恥ずかしい。
裏から入り込んで待つ。ひとりで来ている人間は少ない。
話し声が耳につく人がいてイライラ、
なんだか情緒不安定。

入場:
中は所狭しとテーブルとパイプ椅子が並べられ、
かなりの詰め込みである。
雰囲気は寄席のような歌声喫茶のような。
マンガの棚があったりする。
見易い場所を選ぶ余裕もなく、
部屋奥のはしっこのテーブルに着き、
存在感を消してぼんやりと開演を待つ。あと一時間か…。
その間、ロフトプラスワンのスタッフから説明を受ける。

・居酒屋形式で、飲み食いしながら話を聞く
・客の注文が出演者のギャラに繋がる
・トークと質問コーナーの二部構成
斉藤環さんはここで何度もトークイベントを行っており、
今回のゲストである平沢さんに
ずっとラブコールを送っていたそうだ。
チケットは即日完売。
ヤフオクでは万単位の値が付いたらしい。
BGMは近年の作品からのものが使われ、
スピーカーのおかげで良い音の「狙撃手」に感動。

まずは斉藤さんが登場し、
スタッフから「斉藤さん知ってる人?」と質問、
2、3人ほどしかおらず、厳しい状況だと仰け反っている。
「平沢さんを紹介する必要はないとは思いますが」と
PV「RIDE THE BLUE LIMBO」を流す。
そして平沢さん登場。
黒のスーツに赤系のインナー。
客のいる通路を抜ける為、スタッフが護衛。

(以降は順不同&うろ覚えです。御了承を)

・斉藤さん(以下、斉):平沢さんはひきこもりですか?
平沢さん(以下、平):ひきこもり、気味(ぎみ)です。
・斉:好きな映画なんかは?
平:『(不思議)惑星キン・ザ・ザ』です。
デザイン全てが好きです。
斉:ロシアのSFですね。あの分銅のような宇宙船。
平:宇宙船なのに(飛ぶ時に)ギコギコと音がする(笑)
斉:『マトリックス』は観ました?
平:観ました、2作目まで。
気になったのはザイオンという場所で、
管理される側の人種が有色である事ですね。
火の周りで踊るシーンが延々と続くのは何か意味があるのかと。
斉:あの未来社会で、ネオとトリニティのベッドシーン、
部屋の奥で暖炉の火が燃え盛ってるんですよ。
お決まりの演出では?
(私は「お、人種差別の話?平沢さんたら相変わらず社会派」
とか思ったら、斉藤さんはサラッと流してしまいました。
‘先住民はいつも被管理者’がお決まりの演出だなんて…)

引きこもり気味だという平沢さんに、
現在の音楽活動や子供の頃の話などを聞く。
・「今はインディーズだけどぉ」などと、
メジャー契約をステイタスに置いていない。
・ネットで流出する音源についてうるさいのは
著作権管理会社だけ。
・MP3配信は、デビュー時から目指していた、
雑多な商品が並ぶ中から、
ベリッと剥がして買っていけるような、
駄菓子屋で売られるような感覚に近い。
しかしCDパッケージへの執着が残っているので
まだ浸透していない。

・小学校4年生頃には兄の影響で音楽を聴いていて、
好みもハッキリしていた。
平:好きなものがハッキリするという事は、
嫌いなものもハッキリするという事で、
音楽の時間がとても苦痛だった。教師が流す音楽はいいけれど、
生徒の好きな音楽を聴かせる授業が始まってしまって。
これは苦痛でした。
斉:「じゃあ明日は平沢くん」という時は?
平:回って来ないようにします。
斉:友達に聴かせた事は?
平:いいえ。誤解されるのが嫌なんですよ。
聴いてた音楽もそうですが、
こういうのを聴いているヒラサワ、
という観点が生まれてしまう。
斉:友達はあまりいなかった?
平:…いなかった訳ではありませんが、
別に(勧めたりしなかった)。
斉:学校ではどんな風だったんですか?
平:とにかく目立ちたくなかった。
ひとりでいるのは楽でした。プライドは
人と違う音楽を聴いているという一点で保たれていました。
ヒラサワの登下校を見た人間はいません。
行きは朝早く出て大きく迂回、
帰りは誰よりも早く学校を出てました。
斉:でも誰か気付きますよね?
平:ええ(笑)「そういえば見ないな」と。
斉:目立ちたくないのに結局(笑)。
イジメなどは?
平:いえ、遭いませんでした。

心理学に関する話:
斉:P-MODEL『アナザーゲーム』は
いかにも!という感じですが。
平:あの冒頭部分(クリック音に催眠術のようなナレーション)は
シルバ・マインド・コントロールを参考にしました。
斉:ユングはどうですか?
平:本を読む程度です。
斉:ユングは学者の間で意見が分かれるんです。
オカルトだと毛嫌いする人も。
夢はどういったものを見ますか?
平:小さい頃から繰り返し見ている夢があるんですが、
ものすごく怖いんです。小さな球体と大きな球体があって、
そのふたつを細い金属線が貫いている、
それだけなんですけど、恐怖感がすごくて。
泣きながら母親に抱きついてました。
今でも見ますが、
さすがに抱きついて泣いたりはしません(笑)
(ここで斉藤さんから「今は奥さんに?」
とのツッコミが入るが無視。
他人事ながらちょっと青ざめた/笑)
もうひとつは引き出しが出て来るんですが、
数字が振ってあって、4の倍数の引き出しだけ、
中身がぐちゃぐちゃなんです。
(私はここで、音楽家らしい倍数だな、と。
4拍子、8ビート、16ビート…。
が、斉藤さんは夢分析をするつもりはないようで、
またも軽くスルー)

小学5年生頃からバンド活動開始。
近所の大学生や社会人に混じって演奏をする。
斉:同級生に見つかりませんでしたか?
平:「あれは私ではない」と(笑)。
人前で演奏といっても教会を借りて、とかですから、そんなに。

曲作りについて:
斉:平沢さんの歌詞はとても独特ですが、
インスピレーションはどこから?
平:シンボルマーク事典から、色々と。
斉:曲の方は
平:降って来るのを待ちます。
降って来るのを待つのが曲作りという感じです。
例えば部屋の角など、降ってくる場所が出来たら、
そこでじっとしてます。
降りて来ない場合は角を換えます。
(客笑う)いえ、ホントに。
作り始めても、納得いかなければボツにします。
スタッフに好評でもボツです。

(前半のトークと
後半の質問コーナーの話が混ざってますが、お許しを)

外注仕事について: 
斉:『千年女優』に続いて、WOWOWで放送予定の
『妄想代理人』の音楽を担当したそうで、
アニメ関係の仕事が多いようですが、アニメは見ますか?
平:いえ、見ません。その前に『ベルセルク』という、
アニメ作品の仕事をしたんですが、
参考の為に原作を読んだりするくらいで、全く。
・NHK『おかあさんといっしょ』で使われた「地球ネコ」は
先方が示したコンセプトに沿ったものを作っただけで、
アニメーションの「砂漠を抜ける対陸弾道ミサイルは
私の指示ではありません(笑)」。
・やおい本でネタにされる事について。
「構いません。
しかしそこで描かれている事と現実は違います」。

居住地をつくばにした理由:
斉:つくばは自然の中にいきなり人工的な、
共産圏にあるようなモニュメントが沢山あって、
インド料理屋の窓からロケットが見えたり。
居酒屋みたいな所がなくて息抜きが出来ないせいか、
自殺率が一番高いんですよね。
平:そういう所が気に入ったんです。
今は住宅地に住んでますが、行く行くは。

15分程の休憩の後、質問コーナーへ。
・ナイロン100℃の公演タイトルに『青十字』
『フローズン・ビーチ』『ハルディン・ホテル』など、
曲のタイトルを使われる事について。
平:いつも事後承諾です。構いません。
・P-MODELはまだ培養ですか?
平:培養です。再開するなら衝撃を与える用意が必要です。
斉藤さん、いかがですか?
メンバーはミュージシャンとは限りませんよ?
斉:いえ、私は…(苦笑)コーラスでなら。
・「地球ネコ」は歌いますか?
平:歌いません。

タイのオカマばなしから関連する質問:
・なぜ日本のオカマじゃないんですか?
平:日本のオカマは商売のイメージがあります。
タイでは日常から普通の女性のように暮らしています。
・平沢さんは男寄りですか?女寄りですか?
平:私は男です(きっぱり)。
「寄り」って…。男寄りです(笑)
・叶姉妹は本物ですか?
平:本物です。

他、色々あったのだけど、
マイク無しで質問する為全く聞こえず。
平沢さんの「歓迎します」、「構いません」、
「指示して欲しいですか?」など、
答えのみ聞こえて何だかさっぱり。
すれ違いが少々ありながらも
濃いお話を聞けたイベントだった。お疲れ様でした。

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